こんにちは、汰緒鞠映(タオマリエ)です。
「自信がない」「自己肯定感が低い」「人間関係が苦手」「自分が好きじゃない」などの生きづらさを抱えるお悩み人を、磐田市北部のお茶畑の一角で、心理セラピーと心の習慣化トレーニングでサポートしています。
これまで「愛着」について連続してお話してきました。前回の記事では不安型の愛着スタイルを持つ人の多くに見られる「自己放棄」(self-abandonment)の傾向に対して、行えるステップを紹介しました。
前回の記事『自分を放棄してるってこと気づいてる?』
今日は、その3つ目のステップ「ノーと言うことを学ぶ」を詳しくお話します。
Contents
自己放棄的なクセを手放すために
自己放棄とは
繰り返しになりますが、自己放棄のことを再度おさらいしましょう。英語では “self-abandonment”(セルフ・アバンドンメント)といい、全般的に自分のニーズを後回しにして、他人に迎合する傾向のことをいいます。他人軸のスタンスで生きている人は、気づかないうちに自己放棄しているといえます。
自己放棄の傾向がある人は、他人からの承認を強く求めます。また完璧主義者をめざし、本当の自分は隠します。そして不快な感情を抑圧することも多いです。
詳しくは前回の記事をお読みくださいね。『自分を放棄してるってこと気づいてる?』
自己放棄を手放す3つ目のステップ
「ノーと言うことを学ぶ」
前回はステップ1「自分の気持ち(ニーズと感情)につながる」とステップ2「セルフコンパッションを実践する」について説明しましたね。
3つ目のステップは「ノーと言うことを学ぶ」ことです。
このステップは、正確に言うと、自分がノー(私は嫌だ、そうじゃないなど)と言いたい時にはそう言い、自分がイエス(それがいいなど)と言いたい時にはそう言う自分になるためのステップです。
自己放棄の傾向を持っている人は、小さい頃から親や周りの人に対して、ノー(そう思わない、とかそれは嫌だ、ということ)を言わず、相手に合わせることでサバイバルしてきた人が多いはずです。
あなたはどうでしたか?お父さんやお母さんに「それは違う」とか「こっちがいい」などとはっきり言うことをあきらめてきませんでしたか?
その理由は、本当の自分を出すと、親をがっかりさせたり怒らせたりと、辛いことが起こったからというのが大半です。
「イエス」と反応する前に
あなたに理解してほしいのは、自分が思う気持ちやニーズを相手に伝えることは自然なコミュニケーションだということです。
ステップ1の「自分の気持ち(ニーズと感情)につながる」を思い出してください。
自分自身に「どんな時に嬉しく感じる?」「好きなもの・ことは?」「嫌いなもの・ことは何?」「ほしいものは?」「ほしくないものは?」などと問いかけ、自分の内面を見つめる時間やスペースを割きましょう、とお勧めしましたね。『他人軸の生き方から回復するために』
ステップ1で、自分の気持ちや自分が人生で大切なものがわかるようになってきたなら、そのことについてもっと表現していきましょう。イエスでもノーでも、自分が思うことや感じることを言ってもいいんですよ。
あなたが「それは違う」(ノー)と言ったからという理由だけで、誰かがあなたから去っていくことはありません。(子どもの頃のあなたの親はそうだったかもしれませんが・・・)
あなたが今信頼し、大切に思う人たちは、あなたが自分らしく幸せであることを受け入れてくれます。あなたをコントロールしたいから、ではなく、ただあなたであることをサポートしてくれる、そんな人たちのはずです。
日常の小さなことから始める
だから安心して、日常の小さなことで、あえてノーと言うことを練習しましょう。
あえてノーと言うのは、あなたの中に「自分はどうしたい」とか「自分はどう思う」というプロセスが存在しない場合が考えられるからです。そんな風に自分のニーズをすっ飛ばしてしまうクセをつけている、と言えます。
例えば、こんな風に練習してみましょう。
誰かから「今日はピザなんてどう?」と言われた時に、「いいわね」という代わりに「ピザは嫌だわ」「ピザは食べたくない」と言います。
即座に「嫌だ」という練習です。言い方はいろいろ。「ピザの気分じゃないわ」とか。
もちろん、あなたの頭の中では「ピザだって別にいいわ」と思っているかもしれません。それでも、即座に「イエス」と言ってしまう前に、自分の心の中をさぐってみてください。「本当にあなたが食べたいものはなあに?」と自問してみることが必要です。
相手の気分や都合も考えなきゃ、だから自分の気分はないことにしなきゃ・・・なーんて言う「古いクセ」から脱していきましょう。
イエスとノーの中間ステップ
即座に言えない場合
それでも、いきなり「ノー」ということは難しいと思うかもしれません。その場合は、中間のステップを取ることができます。
例えば「ちょっと考えさせて、決まったら返事するから待ってて」などと答えればいいですよね。
自己放棄するクセを身に着けた人は、何も考えずに即座にイエスというクセがついています。そのため、このステップは、即座に「イエス」という自分と、気が進まないことについて「ノー」と断る自分のちょうど中間に位置する感じになります。
自分だけのプライベートタイム
中間に自分を位置させて、相手の提案について自分は本当はどう感じるか、考えてみてください。この位置なら、相手の視線や、相手を待たせてしまう、などのプレッシャーを感じるために「イエス」と言わずにすみます。
自分のニーズと気持ちを確認できる、あなた自身のプライベートタイムなのです。この時間に相手への返事をあせらずに準備することができます。
「ノー」ということを実践してみよう
ノーと言わなかった理由の見える化
最後に、子どもの頃あなたが「ノーと言わなかった理由」を考えてみることをお勧めします。
人によって背景はさまざまです。どのような家族環境だったのか?母親や父親がどういうタイプの人だったのかによって、子どもが「ノーと言わない」(本当の自分を出さない)と決めた理由は異なります。
そうすることで、何を避けようとしたのか?と考えるとわかりやすいと思います。
「口答えをするとお仕置きをされたから」「お母さんががっかりした顔をするから」「何日も口をきいてくれなくなるから」など、そういうことを避けるために、ノーと言わずに相手に合わせたのかもしれません。
紙に書いて「見える化」することも良い方法です。
同じ関係性を続けている?
その理由が自分自身で明確にわかったのなら、今度は、今あなたの周りにいる人が、同じような傾向を持っているのか考えてみましょう。
ひょっとしたら、同じ傾向を持っていると思い込んでいるだけかもしれません。思い込んでいるから、相手に合わせてしまう自分を続けている場合もあります。本当はそうでないかもしれないのに・・・
いずれにしても、ぜひ、この3つ目の「ノーと言うことを学ぶ」ステップに実際に挑戦してみてください。
あなたの周りの人との関係
あなたが「ノー」ということで機嫌を悪くしたり、あるいは去っていく人もいるかも知れません。でもその場合、その人はあなたがいつも合わせてくれてラクだから付き合っていた、という可能性がありますよね。
何でも合わせてくれて都合がよかった、という理由だけの人は、きっとあなたの周りからいなくなるでしょう。でも、その代わりに残るのは、相手を尊重し合える人間関係を築けるような人たちと言えます。またはそのような人があらたに現れることも考えられます。
今日は3つ目のステップをお話しました。
前回の記事で紹介した二つのステップと合わせると3つのステップは「自分の気持ち(ニーズと感情)につながる」「セルフコンパッションを実践する」「ノーと言うことを学ぶ」となります。
これらのステップで、あなたが自己放棄グセから解放され、自分らしくラクに人生を進んでいくことを願っています。
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