こんにちは、汰緒鞠映です。
静岡県磐田市の北部、お茶畑が広がるのどかな景色に囲まれたセラピールームで、「自信がない」「マイナス思考」「不安が強い」など、お悩み人の心のサポートをしています。
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「感情処理」という、心理セラピーやワークに出てくる特有のステップがあります。
感情処理とは、抑え込んでいた感情を解放する、という意味。感情の解放を行うことは、人が悩みを克服していく過程で大きな役割を果たす、という考え方がもとにあります。
タオマリエが提供する「しなやかな心の習慣作り」の心理セラピーや習慣作りでも、感情処理をとても大切に行っています。
え?感情って、コントロールしたり抑えたりするもので、やっかいなものなんじゃないの?
なんてあなたは思ってませんか。
私たちは、感情について一般的に無知だし、自分の感情に対しても、さまざまな思い込みや誤解をしがちです。
今日は感情について、あるあるの誤解を解きながら、基本的な理解をすすめていきましょう。
Contents
「悲しい時は笑おう」の間違い
ひょっとしたらあなたは「悲しい時は、無理にでも笑顔を作っていれば大丈夫」と思ってませんか?
それとも、悲しいことは時間がたてば忘れるし、なかったことになる、と思っている?
これはどちらも勘違いな理解です。
タオマリエのクライアントさんで、子どもの頃におばあちゃんから「悲しい顔をしていると幸せが逃げちゃうよ、いつも笑っていなさい」とよく言われていたという方がいらっしゃいました。
また一方、私の知り合いで、子どもの頃から悲しいことがあったり、不安に思った時でも「大丈夫」「なんとかなるわよ」と、明るく楽天的なお母さんに軽く扱われて嫌だった、という思い出話を聞いたこともあります。
この二つの例でわかるのは、悲しみ、という気持ちに対して人は敬遠する傾向を持っている、ということです。
泣いていてはいけない、いつも明るくいないといけない・・・
何故なら、そうしないと、いつまでも悲しみから抜けることができない、そんな風に思っているようです。
これは、よく見聞きする誤解ですが、その原因のひとつは「悲しみ」という感情の果たす役割を知らない、ということにありそうです。
感情は感じると解放される
私たちが「悲しみ」を感じる時、一番の大きなものは「何かを喪失した」ことではないでしょうか。
そしてまた「期待していた物事が得られなかった」ということもあるでしょう。
なくす、そしてまたその逆の、手にいれられない、そんな状況の時に私たちは、悲しみを感じます。
涙がでるし、胸もはりさけそうになります。そんな風に身体が「悲しみ」という感情を感じ、そして、心でも感じることで「悲しみ」という感情を解放します。
そして、感情が開放される時に、その感情が持つと言われる「役割」が果たされます。
感情の果たす役割
そう、今言ったとおり、感情には「役割」があるんですよね。悲しいという「感情」が持っている役割って何だと思いますか?
それは「つらい出来事を乗り越えて前に進む力を与える」というものです。
ちょっと思い出してほしいのですが、あなたにはこんな経験はないでしょうか?
失恋したり、試験に不合格だったり、期待を裏切られた時など、つまり何かを失ったり、得られなかったりした出来事で、思い切り泣いたことはないですか?
悔しくて、悲しくて、情けなくて、どうしようもなくて本当に泣いた・・・
でも、思う存分泣いた後、なんだかすっきりした。そして「そうだ、またやってみよう」とか「きっと次があるぞ」とか、なんとなく前向きになっている自分の気持ちに氣づいた。
そんなことはこれまでなかったでしょうか?
そのような場合は「悲しみ」という感情の役割が適切に果たされた、と理解できます。
悲しみを抑え込むと不安定になる?
悲しみを抑えていると人の心は不安定になる、と言われています。
冒頭の、おばあちゃんから「悲しい顔をしていると幸せが逃げていく」と教えられた人は、大人になってからマイナス思考でウツ傾向が長く続いてしまいました。
子どもの頃から、本当は「悲しい」という気持ちを受け止めてもらえず、自分自身でもその気持ちに蓋をし、受け入れる機会を得られなかったのが原因のひとつです。
つらい経験や悲しい出来事を乗り越えて、前を向いていく経験を失ったまま大人になってしまったんです。乗り越える経験ができない、ということは、自分のその力があることを実感することができないということです。
本当は強い力を持っているはずの自分であるにもかかわらず・・・
また、もう一つは、自分は今とても悲しい気持ちなのだ、と感じること自体が良くないこと、という勘違いが起こります。そのために「悲しい」気持ちを抑えつけ、なかったことにしたり、排除しようという力が働いてしまいます。
もちろん、良くないことでも何でもなく、自然なことです。しかも、前に向いていく自分を後押ししてくれる、という大切な枠割を持っているのが「悲しみ」の感情なのです。
悲しみを感じるからこそ笑顔になる
「悲しい時こそ笑っていよう」という考え方は、まったく間違いというわけでもありません。悲しみに沈みこんで何もできなくならないためにも、取れる方法であるかもしれません。それに、笑顔でいることは自分にも周りにもプラスの効果があるのも確かです。
ただし、ここで注意しておくべきは、無理やりな笑顔は、それなりのものでしかないということです。心からの笑顔とは本質的に違います。あくまでも一時的な紛らわせに過ぎないことだと覚えていてください。
もしあなたが「悲しい時こそ笑っていよう」と誰かに助言したいと思うのなら、表現方法を変えてください。
「存分に悲しむと、あとは笑顔でいられるよね」という感じに。
悲しみを感じて受け止めるという行為(悲しみの感情処理)を経ずして、笑顔になろうとするのは、無理なエネルギーを費やすので、負担になるし、反動が後で来ます。
ロボットになってませんか?
感情というものについては、多くの人が「抑えつけたり」「コントロールしよう」という大きな間違いを犯しがちです。
そんなことをしては、せっかくの役割を果たすことができません。悲しみを抑えつけていると、かえって不安定な心の状態を招きます。
人によっては、押さえることで「何も感じない」と決めてしまうこともあります。悲しい想いをするよりは、何も感じない方がよっぽどましだ、と思えるからでしょう。
たくさん悲しい想いをしてきたからという場合もあるでしょう。
でも、感情を押さえるというクセは、間違ってつけてしまったものです。そうしなければやってこれなかったという環境のせいだったのかもしれませんが。
そのように「何も感じない」と決めた場合、その人の表情はロボットに近くなります。ドキッとしたあなた、さっそく鏡を手にとってみませんか?
そして思いっきり悲しい顔をしてみてください。それができるなら、あなたは「悲しみ」をちゃんと感じられる能力があるという証拠です。
さて、今日は感情の役割をあなたにひとつ知っていただきました。
「悲しみ」だけではありません。その他の基本的な感情の「怒り」「怖れ」「喜び」にもそれぞれれっきとした役割があります。この役割は、感情を感じることによって、果たされるものです。
次回は「怒り」について見てみようと思います。
怒りは特に誤解されやすい感情ですが、とても大切な役割を持っていますよ。
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