こんにちは、汰緒鞠映です。
アダルトチルドレンの得意技は、なんだと思いますか?
それは「自分を責める」こと。
理由もなく自分のせいだと感じてしまったり、相手の様子や言葉で、自分の落ち度を探してしまう・・・
どうして自分を責めてしまうのでしょうか? その背景には、アダルトチルドレンの方々が共通して抱くことの多い「罪悪感」が存在しています。
今日は「罪悪感」について書いてみます。あなたが自分を責めることが少しでも減ればいいなと願いながら・・・
Contents
罪悪感のいろいろ
罪悪感って難しい言葉のように感じます。何か悪いことをしたと感じる時の感情が罪悪感と呼ばれるものですが、実際には、必ずしも悪いことをしているわけではないのに感じてしまうことも多いです。
心理カウンセリングでテーマとして扱うのは、このような、はっきりした理由が見えない「罪悪感」で、これは不快感情と呼ばれるものに分類されます。
例えば・・・
誰かの期待に応えられない罪悪感、誰かに迷惑をかけているという罪悪感、誰かを幸せにしてあげられない罪悪感。誰かより恵まれているという罪悪感、など。
それから、自分でいること自体の罪悪感、というものもあります。
悪いことをしたわけではなくても、悪いことをしているように感じてしまうのです。そんな気分になれば、自分を責めたくなるのはある意味当然かもしれません。
あなたはどんな罪悪感をよく感じますか?
悪いことをしたわけでもないのに「罪悪感」を感じる時、心が乱れて、イライラしたりモヤモヤしたり、または悲しくなったりしませんか?
これらも、罪悪感に伴って起こる不快な感情です。
罪悪感という不快感情の役割
不快感情というのはとても面白いもので、本当の感情を隠すために存在すると考えられています。つまりは”かくれみの”のような役割を果たしているんです。
本当の感情がその下に隠れています。
大切なものや壊れやすいものは、何かに包んで守りますよね。プチプチのラップとか、クッション材とか。
ということは「罪悪感」というイライラモヤモヤの感情が、あなたの本当の感情をある意味守ってくれているということなんです。
守っている、とはどういう意味かというと・・・
あなたが子どもの頃に感じていた本当の感情(気持ち)は、直面するにはあまりに、辛かったり、怖かったり苦しかったりするので耐えられません。だから別のものでくるんでしまい、見えないように、なかったかのようにします。
罪悪感を感じていれば、本当の自分の気持ちに直面しなくてすむからです。そんな風にして、自分の大切な本当の感情を守っている、というわけです。
不快感情というのは、その名の通り、気分が良くないもの。
私自身の例では、母親の身体の具合が悪くなるたびに、この不快感情に襲われます。イライラ・モヤモヤする気持ちのもとは、まさに「誰か(母親)を幸せにしてあげられない」という罪悪感です。
自分の本当の感情を罪悪感が守っているとはいえ、この不快感情には長年苦しみました。
このような理由のわからない辛さ・苦しさは、アダルトチルドレンにはきっとお馴染みのものでしょう。
不快な感情を抱く相手は?
あなたが、そのような不快な気持ちを感じる相手は誰でしょうか?
多くの場合、特定のタイプの人や、特定の状況で、罪悪感(不快感情)を感じるものです。同じようなパターンがあることに気がつくかもしれません。
私自身、とても印象の強かった出来事があります。
20代の頃イギリスに半年ほど語学留学をしました。その時にホームステイすることになったお家のホストマザーは旦那様を亡くしたばかりのひとり暮らし。私はそのホストマザーと家にいる間中、ひんぱんに「罪悪感」に襲われ、落ち込むことが多くなり、家にいるのが苦痛になり、結局2か月ほどで別のホームステイに移る、という経験をしました。
旦那さんを亡くして元気のないホストマザーを、なんとか笑顔にしようと頑張っても空回りばかりで、「彼女を喜ばしてあげられない」自分を、ダメな人間だ、とか、「自分がもっと明るくて楽しい性格なら彼女も幸せになるのに!」になんて、自分を責めてばかりいました。悲しそうなかわいそうな人を前にして、何もできないことに対する、強烈な「罪悪感」に圧倒されてしまった、というわけです。
子どもの頃の私は、家の中でひとり苦労している母親を助けようとお手伝いをしたり、母親が自慢に思ってくれるように勉強を頑張ったりする「良い子」でした。大人になってからも、不幸な母親になんとかラクをさせたい、幸せにしてあげたい、と思って親孝行な娘をやっていましたが、母親を幸せにできないジレンマも感じるようになっていました。
遠い異国の地で、落ち込んで悲しそうなホストマザーと接する中で、母親を幸せにできないダメな私、という不快で苦しい感情が再現されてしまった、というわけです。
あなたの場合はいかがですか?
私のような、罪悪感を感じてしまう特定の相手、特定の状況はありそうでしょうか?
隠されている感情に氣づくことから始める
今の私は、心理学や心理療法を学んで、この心の働きを理解しているので、自分の不快感情に気づくことができ、またその背景や理由もよくわかります。
まず自分で氣づくことができる、というのは大きな助けになります。
しかし、それを知らないうちは多くの場合、訳もわからずイライラしたり罪悪感を感じたり、そのコントロールできない自分の気持ちで感情を爆発させてしまったり、ときには衝動的な言動で相手を驚かせてしまったりします。
あなたは怒ったり、キレたりしている人を見たことがありますか?
もしそんなことがあるなら、その人の怒りに満ちた顔を観察してみてください。よく見ると単に怒っているのではありません。ひょっとしたらとても悲しい目をしていることに氣がつくかもしれません。
だとしたら、その人が守りたい本当の感情はおそらく、とても傷ついて悲しい、というものなのでしょう。
私の夫は、22年前に亡くなりましたが、アルコール依存症で一時期廃人のようになっていたことがありました。回復が少し見られてきた矢先に突然の病であっけなくこの世を去りました。娘はその時小学校の最初の一年間が終わったばかりでした。
夫にはたくさん楽しい思い出ももらいましたが、極端な気分の上がり下がりに翻弄されもしました。娘が自分の思い通りにならないと機嫌が悪くなり、そのままお酒のサイクルに入ってしまう、ということもよくありました。
私は心理学と心理療法を学んで、人の心のしくみを知るようになってから、かつての夫のことも理解できるようになりました。あの時にそれを知っていたら、彼を少しでも助けられたかもしれないし、少なくとも私自身の助けにはなっただろうなと思います。
自分のせいだ、とか自分が悪い、なんて思わなくてすんだと思います。
今でも思い出す場面があります。娘が思い通りにならなくて「お前なんかしらん」と吐き捨ててその場を後にした夫が振り向いてこっちを見た時、何かにおびえているような強烈に悲しい目をしていた・・・・
あの目を思い出すと、心がズキンとします。彼が隠していた、怖さ、悲しさ、傷つきはどれほど大きかったのだろうか、と想像するのです。
本当の感情を癒していこう
もし、あなたが、納得いかない罪悪感を感じることが多いとしたら、それは、怖さだったり、悲しみだったり、怒りや傷つきなどの、本当の自分の感情を隠している、ということなのです。
そのような心のからくりがあるということをまず知ってください。
そしてその本当の感情を癒していくことで、不快な感情も消えていくのだ、ということも。
なぜなら、隠すべきものがもうないのに、”かくれみの”をつける必要がないからです。
頭や理屈で理解することに慣れている私たちには、この話は、とても納得が行くのではないでしょうか?
でも、本当の感情をどうやって癒したらいいのか?
ご興味のある人は、タオマリエの「しなやかな心の習慣作り」(心理セラピーとココロケアトレーニング)にお問い合わせしてください。初回カウンセリングを受け付けています。お問い合わせフォームからお申込みください。
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