静岡県磐田市のお茶畑を臨むセラピールームから。
こんにちは、汰緒鞠映(タオマリエ)です。
「感情に振り回されて疲れてしまう」 「不安な気持ちをどうにかしたい」 「つい感情が爆発して後悔する」 「自分が本当は何を感じているのかわからない」
そんなお悩みを抱えて、心理カウンセリングに来られる方は少なくありません。
実は、人間が持つ最強のツールがあります。それは「感情」です。
しかし私たちは、その大切な感情をどう扱えばよいのかを教わる機会がほとんどありません。そのため、感情に振り回されたり、抑え込んだりして苦しくなってしまうのです。
今日は「感情」と上手につきあうための大切なポイントについてお話しします。後半では、今日からできる3つのステップもご紹介しますので、ぜひ最後までお読みくださいね。
Contents
感情がなければ楽なのに……
感情が苦手だと思う人は多いのではないでしょうか。あなたはいかがですか?
以前、感情の爆発に悩んでいるクライアントさんがいらっしゃいました。
「感情を消す方法を知りたい。感情さえなくなれば、この苦しさから解放される気がする」
そんな思いで心理カウンセリングを訪ねてくださった方です。しかし継続していくうちに、その方はあることに気づかれました。
それは、感情そのものが苦しみを生んでいたのではなく、感情を抑え込もうとすることが苦しさを大きくしていた、ということです。
感情抑制と感情抑圧の違い
意識して感情を抑える
私たちは対人関係の中で、しばしば「感情抑制」という方法を選びます。
例えば、相手の言葉に腹が立ったとしても、それを顔に出さないように我慢することです。場合によっては作り笑いをして、その場をやり過ごすこともあるでしょう。
ひょっとして、あなたもそのような経験を日常的にしているかもしれませんね。
感情抑制は、心の中で感じていることと外側に見せていることが一致しない状態です。
そのため、思っている以上にエネルギーを使います。続けていると、疲れやストレスがたまりやすくなるのです。
心を守るための無意識の働き
一方で、「感情抑圧」という心の働きもあります。
抑制が「怒っているけれど隠している」のに対して、抑圧は「怒っていること自体に気づいていない」状態です。
精神分析では、抑圧は心を守るための「防衛機制」のひとつと考えられています。
例えば、子どもの頃に「欲しい」と言っても受け入れてもらえない経験を繰り返した場合、「欲しい」という気持ちそのものを感じないようになることがあります。
欲しがっても叶わず傷ついてしまう。その苦しさを避けるために、無意識のうちに心が感情を閉じ込めてしまうのです。
これは弱さではありません。むしろ生き延びるために身につけた、大切な心の働きだといえます。
「怒り」と「不安」の意外な関係
怒りを感じると不安が減る?
相談室には、「不安をなくしたい」と来られる方も多くいらっしゃいます。
お話を伺うと、「怒ることはほとんどありません」とおっしゃる方が少なくありません。しかも、我慢しているのではなく、本当に怒りを感じないと言われるのです。
こうした方の場合、怒りの感情を無意識に抑圧していることがあります。
怒りは本来、自分や自分の大切なものを守るための自然な感情です。ところが、その怒りを感じることすら許されなくなると、心は別の形でサインを出そうとします。そのひとつが不安です。
心理カウンセリングでは、抑圧された怒りを少しずつ感じられるようサポートしていきます。すると不思議なことに、不安が少しずつ和らいでいくことも少なくありません。
感情は心のナビゲーションシステム
私たちは怒り、不安、悲しみなどを「悪い感情」と考えがちです。そして、その不快さから逃れようとして抑え込んだり、感じないようにしたりします。
けれども感情は、本来あなたを苦しめるためにあるものではありません。
感情は、「自分にとって何が大切なのか」を教えてくれるサインです。言うなれば、心のナビゲーションシステムです。
例えば悲しみは、大切な何かを失ったときに湧いてくる感情です。その悲しみは、「それほど大事な存在だったんだよ」と教えてくれています。
感情は敵ではなく、自分自身を理解するための案内役なのです。
感情に振り回されないための3つのステップ
それでも感情との付き合い方が難しいと感じる方へ。
今日からできる3つのステップをご紹介します。
(1)気づく(モニタリング)
「今、自分は焦っているな」 「悲しいな」 「イライラしているな」
そんなふうに、自分の状態を言葉にしてみましょう。
感情は気づかれるだけでも落ち着き始めます。
(2)感じる・許可する
気持ちを無理に消そうとせず、そのまま感じてみます。
胸が苦しい、お腹が重い、肩に力が入っている。
そんな身体の感覚にも意識を向けながら、ゆっくり呼吸してみましょう。
感情は感じ切ることで、吐く息とともに、少しずつ身体の外へ流れていきます。
(3)感情のメッセージを受け取る
その感情は何を伝えようとしているのでしょうか。
例えば怒りなら、
「大切にしているものが踏みにじられた」 「境界線が侵害された」
というサインかもしれません。
感情の奥にあるメッセージを受け取ることで、自分自身をより深く理解できるようになります。
「喜び」を味方につけよう
ここまで、不安や怒り、悲しみなどの感情についてお話ししてきました。そして、こうした感情は抑え込むのではなく、感じて受け止めることが大切だとお伝えしました。
一方で、私たちには「喜び」という心強い感情も備わっています。感情に振り回されやすい方ほど、日常の小さな心地よさに目を向けてみてください。
道端で見つけた小さな花。
秋の夜に聞こえる虫の声。
乾いた洗濯物のにおい。
炊き立てのご飯の湯気。
温かいお風呂。
好きな音楽。
どれも特別なことではありません。
けれど、小さな喜びや安心感を味わう時間が増えるほど、心は少しずつ安定していきます。
感情をなくそうとするのではなく、感情を上手に活かしていくこと。それが、自分らしく生きるための大切な一歩なのです。
もし一人で向き合うのが難しいと感じるときは、どうぞ心理カウンセリングをご利用ください。一緒に、あなたの心の声に耳を傾けていきましょう。
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この記事に関連する過去記事はこちら。
*「不安」について:『心の不安はどこから来るの?』
*「怒り」について:『怒りはワルモノではありません』
*「悲しみ」について:『感情は大切なたからもの』
*「プラスの感情」について:『プラス感情を活用すると得られる7つの効果』
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