こんにちは、汰緒鞠映(タオマリエ)です。
どんな人にも得意なこと、不得意なことがあります。
アダルトチルドレン歴40年の私ですが、今はもうほぼ克服している「苦手」なことについてお話します。
Contents
アダルトチルドレンの最も不得意なこと
人との距離の取り方がわからない!
子ども時代を、自分らしく、子どもらしく過ごすことが難しかったアダルトチルドレンには、不得意なことがいろいろとあります。
なかでも、クライアントさんからよく聞くお悩みのひとつは、
「人との距離の取り方がわからない!」というもの。
あなたはいかがでしょうか?
同性同士では問題なくても、異性となると、距離感がつかめなくなる人も多いです。
依存的な関係を築きやすい、というのが特徴です。よくあるのは、ダメンズばかりを選んでしまう、また暴力的な相手ばかりを選んでしまうなど。
選ぶ男性のタイプとしてよく見られる共通点は「男性として、また人間的にも成熟していない」ことだと思われます。
さて、あなたのパートナーは、成熟している人ですか?
自分と人との間には見えない境界線がある
自分には自分の考えや都合があり、相手にも相手の考えや都合がある・・・このことは理屈では理解できるかと思います。
自分と相手は、それぞれ独立した、違う人間同士だということも、理解できるでしょう。
どんなに仲の良い人間同士でも、境界線というものがあります。自分と相手との間には見えない線が引かれています。これは、相手を尊重し、自分を大切にするための大切な線なのです。
アダルトチルドレンの場合、この「見えない境界線」がほぼありません。
境界線がない場合の心理的状態というのはこんな感じです。
「あの人が悲しんでいると、私が何とかしなければいけないと思ってしまう」
「あの人が機嫌が悪いと、自分がいけないんだと思ってしまう」など。
あなたは心当たりありませんか?
あの人の都合や理由でそうなだけで、自分のせいでも、自分の責任でもない・・・と理屈を言われれば理解できるけれど、心が納得しないのです。
その背景には、子どもの頃から置かれていた環境が関係します。
あなたは、子どもの頃、どんな環境に置かれていましたか?
少し思い出してみてください。
大切なあの人を悲しませないために
思い出すのはきっと、あなたの母親と父親またはそのどちらかとの関わりではないかと思います。または別の大人が関わっている場合もあります。
私のクライアントさんのケースで多いのが、父親がアルコール依存症や暴力の問題があったりして、母親が苦労していた家庭環境です。
他には、親の夫婦仲が悪く、母親から父親のぐちや不満の聞き役だったという方もいらっしゃいます。
そのような場合、子どもは「かわいそうな母親の面倒をみる」という役割を担わされます。
子どもが親の面倒をみる、という逆転現象が起こります。身体的な世話というよりも、感情的な面倒をみる形です。
可愛そうなあの人を助けるために、自分の気持ちや欲求を犠牲にするのです。
大切なあの人が笑顔になるように、あの人が悲しまないように、あの人が喜んでくれるように、自分が悲しかったり、つらかったり、楽しくなかったりする気持ちは、なかったことにさえします。そうしないと、あの人を幸せにできないから・・・
アダルトチャイルドの育つ家庭は、親自身が「幸せ」から遠いところにいる場合が多いです。
子どもにとって一番幸せなこと
子どもにとって一番幸せなことって何だと思いますか?
それは「大好きなお母さんやお父さんを笑顔にすること」なんです。
大好きなお母さんやお父さんが一緒に笑ってくれていること、一緒に楽しんでくれていること。自分と一緒にいることで、お母さんやお父さんが幸せでいてくれること。
それが、子どもにとって何より幸せなことではないかと私には思えます。
子どもはだだをこねたり、泣いたり、いたずらしたりします。どんな時でも、お母さんお父さんは自分を見捨てたりしないし愛してくれているんだ、ということを、親の顔や言葉や態度で確認しようとします。
でも、アダルトチルドレンの場合は特に、親側に子どもを受け入れる余裕がないことも多いため、子どもが親の感情の面倒をみるという逆転現象が起こります。だから子どもは、親の感情の面倒をみることで初めて「自分は親に愛されている(役立っている)」という感覚を得るのです。
子どもにはとても過酷な環境ですね。
相手の感情の面倒をみてしまうあなたへ
自分を大切にすることが苦手
さて、そのような過酷な環境だということに氣づくことなく、大人になったアダルトチルドレンは、自分の気持ちややりたいことがわからなかったり、人の感情に翻弄されることが多くなります。
あなたはいかがですか?
パートナーの機嫌を取るために自分の気持ちを犠牲にしていませんか?
あるいは、あの人が満足してくれれば、私はどうでもいいと、自分を後回しにしていませんか?
人の感情の面倒をみてしまう人は、自分を大切にすることがとても苦手です。
自分の幸せは別にいい、とさえ思ってしまう・・・
この感覚、昔の私はかなり強かったです。
周りの人の気持ちを過剰に気にしていました。自分が言うことややることで相手が気を悪くしないかと心配になったり、元気のない人がいたら、私が元気づけてあげなきゃいけないと頑張ってしまったり、でも元気にならない人を目の前に、私のせいだ、と感じてぐったりしてしまう。
そんなことがしょっちゅうありました。
これは、まさに「境界線」が引けていない状態です。自分の気持ちや感情は、相手次第です。自分の本当の心がわからなくなっているのです。
つまり、子どもの頃に親に対してやってきたことを、自分が大人になってからは、親ではない別の人に対してやっている、というわけです。
嫌なことを嫌だと感じてますか?
私自身、自分が気が進まないことや嫌だと思うことを、相手に伝えるのが本当に不得意でした。どちらかというと、相手が何でも決めてくれればいいと思っていた時もありました。
あなたもひょっとして、そんな日々を今送っているのではありませんか?
だとしたら、まずは、自分の今の状態を意識してみましょう。
「ああ、自分は相手との境界線を引くのが苦手なんだな」って。
「それは、子どもの頃にずっとそうしてきたからだな」って。
そして、大切なことは、そういう自分を批判しないことです。
「ああ、そういう自分でやってきたんだな」って、受け止めてあげてください。
いつでも、そのままの状態の自分を受け止めることを忘れないでください。
「受け止める」とは、その状態の自分を「許す」ということでもあります。どちらの言葉でも好きな方を使いましょう。
そして、次にやってみていただきたいのは「嫌だ」という気持ちに氣づいてあげることです。
子どもの頃には「嫌だ」と感じることが許されなかったため、そのままずっと自分で禁止しているのかもしれません。
あるいは「嫌だな」と思っても、笑って自分の感情をごまかしている人もいます。
そんなあなたは、自分の「嫌だ」という気持ちに氣づいてあげましょう。そして、それを許しましょう。
子どもの頃は「嫌だ」と表現することが、イコール、親の愛や保護を失うことだったので、それを表現するのはもちろん、感じることさえ辛かったのかもしれません。
でも、もう今は立派な大人です。自分で考え、自分で判断できるほどの大人です。
だから「嫌」なものは「嫌」でいいんだと、自分の氣持ちに許可を出してあげましょう。
私の場合、アダルトチルドレン傾向を少しづつ克服してきた今は、「嫌だ」と口に出したり表現することが苦痛ではなくなりました。
母が気を悪くするだろう、ということは承知で、それでも自分の気持ちを優先します。だって、相手の気持ちは相手が決めることですものね。
昔に比べたら、境界線がずいぶんとラクに引けるようになっています!
心理セラピーを活用する
私が行っている「しなやかな心の習慣作り」は習慣化トレーニングと心理セラピーで、人の感情の面倒をみ続けてきて自分が生きづらくなっているアダルトチルドレンをサポートするものです。
このようなアダルトチルドレンに共通の特徴は、自分に自信がない、マイナス傾向、自己肯定感が低いなど。
そんな特徴を得てしまったルーツは、たいていの場合、子どもの頃の親との関係にあります。
自分らしく振舞ったり、そのままの自分で親から受容され愛される、という肌感覚での経験が圧倒的に少なかったはずです。
今となっては自分の親からその経験を得ることは難しいのですが、心理セラピーによって、記憶の中に置き去りにされている感情や欲求とていねいに向かい合うことで、タオマリエのクライアントさんたちは大きな変化が起こっています。
もしあなたが、理屈では自分と相手の間に境界線があることは理解できても、その引き方がわからない、自分らしさもわからないなら・・・
その理由は、テクニック的なことを知らないからではなく、心の奥底に根を張っているマイナスの思い込みが抵抗をしているためです。
多くの場合、「相手を満足させなければ、自分には価値がない、自分は愛されない」というような強い思い込みです。
タオマリエの心理セラピーと習慣化トレーニングによって、クライアントさんが共通して得られる感覚は、「どんな自分でも自分でいい」「自分はそのままで価値がある」というものです。
これは、理屈による考えというよりも、心の底から自然に湧いてくるような感覚なのです。
自分を大切にする、ということが本当の意味でわかった感じです。
自分らしさを知り自分を大切にできると、他人との適切な距離も取れるようになっていきます。
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