こんにちは、汰緒鞠映(タオマリエ)です。
磐田市北部で心理セラピーと心の習慣化トレーニングを提供しています。
私のクライアントさんはアダルトチルドレン特有の生きづらさを抱えた方が多いです。アダルトチルドレンの問題について考える時、必ず登場する概念があります。
それは「共依存」と呼ばれるもの。共依存の関係に陥っている本人は、その状態が当たり前すぎて、それが普通ではないことに気づかないことがよくあります。
今日は再び「共依存」を取り上げ、共依存による影響に焦点をあててみたいと思います。
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Contents
「共依存」がもたらすアダルトチルドレン傾向
5つの共通する傾向
アダルトチルドレン傾向を持つ人には共通の特徴があります。『アダルト・チャイルドが自分と向き合う本』から5つの傾向をご紹介します。
「自分の感情やニーズ・欲求がよくわからない」
「自分を主張できない」
「相手と自分との境界線が混乱している」
「ありのままの自分でよいと思えない」
「自分が大切な存在だと思えない」
あなたには、この5つで、どのくらい当てはまりますか?多少は当てはまりますか?それとも、かなり自分のことだと感じるなら、あなたはまさしくアダルトチルドレン傾向を持つ人と呼べるでしょう。
この5つはアダルトチルドレンの生きづらさを表現しています。あなたがこのような傾向を今現在持っているなら、その原因は主に、子どもの頃の家族の関係性(あなたと親との関係)にあるといえます。
その関係性は「共依存」という土台でできています。
家族の共依存ルール
あなたの子どもの頃の家族の関係性は、どんな風だったでしょうか?
ひょっとして以下のような(暗黙の)ルールはなかったでしょうか?
「問題について話し合うのはよくない」
「感情は素直に表現してはいけない」
「強く、正しく、完全であれ」
「遊んだり、楽しんだりしてはならない」
「波風をたてるな」など。
これらは「家族の共依存ルール」(『アダルト・チャイルドが自分と向き合う本』より)と呼ばれます。
このようなルールを持つ家族の場合、「問題についてオープンに話し合ったり、解決を探ったりする」という状況は起こりません。そして、家族のメンバーが「自分を大事にして、感情や欲求を素直に表現する」ことが暗黙的に禁止されていたりします。
このような関係性の中では、子どもは情緒的に健全に成長することが阻害されます。
そして何よりも大きな弊害は、大人になってから、家族以外の人との関係に対しても、この共依存ルールをそのまま持ち続ける、ということです。
アダルトチルドレンが、友人を作ることや人付き合いが苦手だったり、恋愛や結婚の相手に問題の多い人を選んだりするのは無理もないのです。
共依存の影響というのは、とてつもなく大きいと感じます。
境界線の混乱
自分と他人の独立を保証する
冒頭でご紹介したように、共依存関係でもたらされる傾向として、「自分と相手との境界線に混乱が生じる」ということが見られます。
境界線(または境界)は目には見えませんが、人間関係において必ず存在するものです。
アダルトチルドレンの概念の生みの親と言われるクラウディア・ブラックは、境界について『自分が他の人と別の独立した存在であることを保証するもの』と定義しています。
タオマリエのクライアントさんには、この境界線がない、または混乱した状態で、母親と共依存関係を持っている方がよく見られます。
ご本人は自分の生きづらさの根源が、そのような共依存関係にあることに気がついていて、母親(の支配)から自立したいと望んでいます。しかし、その願望を行動に移すことがとても難しいです。「自己の喪失」という状態に苦しんでいるといえます。
5つの現れ方
前述のクラウディア・ブラックが、境界線の混乱の5つのパターンを挙げているのでご紹介します。
(1) 親が子どもを仲間として扱う - この場合、親子の間に境界線が存在しない。母親が自分の夫(またはその逆も)に対する不満やグチを子どもに聞かせて相談するなど、子どもは重荷に感じ罪悪感や不安を感じる。
(2) 親が子どもに責任を負わせようとする - 親子の境界がねじれた状態。離婚したのは子どもが悪い子だったからなど。子どもの責任ではないことを負わせて不可能なことをやらせようとする。子どもは無謀な努力を強いられたり、打ちのめされる体験に駆り立てられる。
(3) 親のニーズが子どもより優先となる - 子どもの境界へ親が侵入する。親は自分の自尊心を満たすために子どもを使うが、利用価値のある時しか子どもの存在を認めない。
(4) 親が自分と同じでいるように子どもに求める - 子どもを自分とは別の存在と認めない親は子どもの境界を認めない。特に思春期の子どもが親に反抗するとき、親は自分の生き方や価値観への侮辱や挑戦と受け取り、子どもを拒絶する。
(5) 親が子どもを自分の延長とみなす - 子ども自身の境界を認めない。親は自分が果たせなかった夢を子どもにかなえてほしいと望む。親が子どもの学校や職業や結婚相手を決めて、子どもの希望を認めない。
私には5つのパターンが全くない、という親子関係はないと思えます。どんな親子でも、このような境界の揺らぎは場合によって起こったりします。
大切なことは、親が自分が子どもの境界に侵入したり、認めなかったり、拒絶してしまったときに、そのことに気づけるか、ということです。ですが・・・・実際これはかなり難しいと言わざるをえません。
なぜなら、親も自分の親から境界線がないようなしつけや育てられ方をされていることがほとんどだからです。とはいえ、ひょっとしたら自分の考え方ややり方がいけないのだろうかと疑問を持つなら、まだ救いがあると言えます。
境界の混乱が与えるメッセージとは
上にあげた5つのパターンのように境界が混乱する状態で育つと、子どもは自分が「親のニーズを満たす」ための必要な存在だと感じます。また同時に「自分の感情や欲求を感じるのはよくないことだ」というようなメッセージを受け取っています。
すると、子どもの心の中には「人と違う感情や欲求を抱く自分はいけない子だ」「ありのままの自分は価値がない」という信念が作られてしまうのです。
このような自己否定の観念が心の中でどんどん固まっていくと、やがては「自分に自信がない」大人ができあがる、ということになります。
健全な境界線が必要な理由
自己否定または自己肯定感が低い、というお悩みはタオマリエをたずねてくださる方のほぼ全員が持っていらっしゃいます。
そのような方には、その自己否定感のルーツは、子どもの頃の親との境界線の混乱にあるということを知っていただけたことは大きな意味があります。
なぜなら、境界線の必要性について意識を持てるかどうかで、自分と相手との関係性や対応の変化につながる可能性が生まれるからです。
例えばあなたは、誰かに不当な扱いを受けた時に、「自分が悪い」と簡単に思って相手に謝ったり、自分の考えや欲求を相手に伝えることをしなかったり、自分の感情(怒りや悲しみ)にただ蓋をして自分が傷つくままにしている、ということはありませんか?
健全な境界線を持っている場合は、その相手に対して感じる怒りやまたは悲しみをいけないものだとはとらえず、自分の考えが相手とは違うのだととらえ、不当なことを言うのは相手自身の問題であって、自分の問題だとは考えないのです。
そんなことはなかなか難しい、と思えるかもしれません。だって、アダルトチルドレンは長年「境界線の混乱」のある「共依存」関係を土台としてやってきたのですから。
そうであるとしても、自分がこれまでと違う考え方ややり方に意識を向けるということは、それを全く知らずに過ごしていることとは、天と地ほどの差があると言えます。
共依存がもたらす境界線の問題については、機会をみて事例を取り上げたいと思います。
・・・・
参考文献『アダルト・チャイルドが自分と向き合う本』(アスク・ヒューマン・ケア研修相談センター編) / 『子どもを生きれば大人になれる』(クラウディア・ブラック著)
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