こんにちは、汰緒鞠映(タオマリエ)です。
静岡県磐田市の北部、お茶畑の一角のセラピールームで心理カウンセリングをしています。お茶畑は今、若葉のやさしい緑色に覆われてとても綺麗なんですよ。
いつもはひと気のないお茶畑、でも今は新茶摘みの時期で、農家さんがハイテクな機械で作業している姿が見られます。
(*現在は新型コロナ対策に伴い、対面ではなくオンラインにてサービスを提供中です)
地元磐田市でココロケアの仕事を2016年夏に始めてから、たくさんのジモジョ(地元女性)の方々のお悩みのご相談を受けてきました。
この約3年半、実感してきたことは、「自分の価値は低い」と勝手に勘違いをしている人がとても多い!ということなんです。
今日は、自分の価値を決めてしまう背景にある「心の栄養」について考えてみます。
Contents
心の栄養ってなあに?
心理学用語の「ストローク」
タオマリエのセラピールームを訪ねてくださるジモジョと接して感じるのは、やはり「心の栄養足りてないなあ」ということです。
私自身もそれで50代まで一気に来ましたから! しかも自分の「心の栄養」不足に氣づいていなかったです。
(親に甘えたことがない子どもでしたし、人に甘える方法がわかりませんでした。)
「心の栄養」という言葉がとても氣にいっているので、使っていますが、心理学の用語では「ストローク」といいます。
交流分析という心理学門に出てくる言葉と概念です。ここからは「ストローク」という言葉をしばらく使いますね。
英語の “stroke” という語の意味は、複数ありますが、意味として近いのが「なでる」「さする」という行為のことです。髪をなでる、ぬいぐるみをなでる、など優しくタッチする感じで、そうする側もされる側も良い気分になるものです。
その感じ、想像できますよね。
私たちは赤ちゃんの頃から、ストロークされて育っていきます。優しく抱っこされたり、なでられたりと、身体の感覚で安心感を受け取っていきます。
実際に、子どもが健康的に育っていくには、触れることが必要不可欠だと言われています。
心理学でいう「ストローク」は、このような身体的接触に加えて、相手に対する「言葉」や、微笑みや「おはようございます」などの挨拶なども含めます。
最も恐ろしいのはストロークがないこと
ストロークにはプラスとマイナスがあります。
プラスのストロークは、相手を褒める、相手に感心を持って何か言う、相手を見てにっこり笑うなど、受け取った相手が心地よさを経験するもの。
かたやマイナスのストロークは、相手が痛みとして受け取るものです。批判的な言葉や態度、無視など。
そして、もうひとつ、このどちらでもない状況というのがあります。それが「ストロークなし」というもの。
子どもが親や先生の気をひきたい時に、わざといたずらや、相手の嫌いなことをして「怒られる」ことがあります。この理由は、マイナスのストロークを得る(怒られる)ことの方が、何も関心を持ってもらえないこと(ストロークなし)よりもまだましだから。たとえ痛みを伴ったとしても、です。
このような場合、親にとっては、自分の子どもへの接し方を見直すべきチャンスかもしれませんよね。
子どもにとって、そして大人でさえも、ストロークがないというのはそれほどに恐ろしい状況なのです。
もし、あなたが何を言っても何をしても、誰も興味や関心を持ってくれないとしたら、どうでしょう。きっと、自分の価値に疑いを持ってしまうことでしょう。自分の存在の無意味ささえ感じてしまうかもしれません。
プラスであれ、マイナスであれ、自分の存在を認めてもらうことは、生きていく上でとても必要なことなんです。
そのようにストロークを与えられたり、与えたりしながら、私たちは生きています。
プラスとマイナス、そしてゼロ
ストロークについては、少しでもご理解いただけましたか?
プラスとマイナスがあること、その二つの違い。そして、人が一番恐れるのが「ストロークなし」という状態。ストロークなしよりも、人は痛みのあるマイナスのストロークをまだましとして選ぶということ。
じゃあ、いつでもプラスのストロークだけ与えていれば、完璧な子育てができるんですね。つまり、いつでも怒らず、にこにこして、子どもを褒めてさえいればいいんでしょうか?
そんな風な質問が聞こえてきそうです。答えは、褒めてさえいればよい、怒りさえしなければよい、という単純なものでもありません。
実際に、相手がマイナスのストロークを示した時、たとえば相手が意図せずして嫌な顔を一瞬見せたとして、それは人間として自然なことといえるでしょう。
その様子を見て、子どもであれ、大人であれ、私たちは、自分の取っている行動が、誰かの気に入らないことなのだと学びます。そして、その後は、自分の行動を変えることもできます。(あるいはその相手から去ることも!)
マイナスから学べることはたくさんあります。相手に嫌なことを言われることで、自分の言動を振り返って考え直すこともできます・・・
マイナスストロークで育ってきた私たち
ただ、私自身が育ってきた昭和の時代の親子関係の傾向や、セラピールームを訪ねてくださるクライアントさんたちのお悩み傾向を伺うと、やはり「マイナスストロークは多かったけれど、プラスのストロークが不足していた!」
そう感じざるを得ない。そして、自分のことが嫌いという人ほど、プラスのストローク、つまり心の栄養が足りていない状態のままだといえます。
プラスのストロークが不足しがちな背景には、日本の文化的な特徴も関係あるでしょう。
人を手放しで褒めたりしないし、自分の子どもが褒められると、「いやいや、うちのなんて出来が悪くて」などという謙遜という社交術が幅を効かせています。
これは平成や令和の今でもあまり変わりない傾向ですよね。
マイナスのストロークで育ってきた人は、やはりマイナスのストロークを人に与えがちになります。
そして、プラスのストロークをもらい慣れてないので、人にプラスのストロークをあげることが難しいです。
これって、もちろん自分のせいじゃないけれど、かと言って、親のせいだ、先生のせいだと責めることもできない。だって、彼らだって、そのような環境で当たり前のように育ってきたのだから・・・
ストローク習慣のススメ
さあ、そんな自分なんだ、私たちなんだ、という前提から始めましょう。
親から完璧さや夢を押しつけられ、できないことを指摘され、けなされたり、あるいは他の兄弟のことばかりで、自分に関心を持ってもらえない環境で育ってきた私たち、という前提です。
マイナスのストロークや、またはストロークなしには、めっぽう慣れている私たち。
だからこそ、プラスのストローク習慣を身につけましょう。習慣って、やり続けていると、それが当たり前のことになる、ということです。
じゃあ、まず、誰にストロークをあげるか?
それは自分自身に、です。
タオマリエのセラピールームに訪ねてくださるジモジョの方々は、できたことではなく、できないことに目を向けて、そこにマイナスのストロークを与えていることに、氣づいていません。
あなたもきっとそうでしょう。
でも、今はもう氣づいてしまったはず。氣づいた時点がスタートポイントです。
ストロークのあげ方は、「褒める」ことが基本ですが、自分は出来てないしダメなのに「褒められない」と抵抗する人もきっといるでしょう。そんなあなたはきっと、筋金入りのマイナスストローク星人(?)。
だから、まず、どんな自分も「それでいいよ」と言ってあげてください。
これ、驚くなかれ、ほぼ「褒める」ことと同じです。自分を受け止めること、認めること、許すこと・・・とても大切なことです。
これこそが、あなたが子どもの頃に、自分の大好きだった人に対して求めていた「ストローク」だったと言えます。
この習慣を続けていけば、「自分を嫌い」という感覚は自然に消えていきます。
あなたもぜひ、試してみてください。
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