こんにちは、汰緒鞠映(タオマリエ)です。
私たちが健康で過ごすために、身体には栄養が必要ですが、同じように心にも栄養が必要です。心は直接目で見ることができない分、気づきにくいものです。
今日も「心の栄養」のお話を少し。
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Contents
心にも栄養を取り入れる
ところで、現代人は「隠れ栄養失調」だという話を聞いたことはありませんか?この飽食の時代に?と驚かれる方もいるかもしれません。
私たちが口にする野菜は、農薬や化学肥料などのために、昔ほどに栄養が豊富ではない、ということが話題になったりします。最近は、無農薬や、有機栽培で育てたお野菜をインターネットで定期購入できるサービスが人気を呼んでいるようですね。
人間が命をつないでいくために食べ物という栄養が必要なように、私たちの心にも栄養が必要なんですよね。
さて、心の栄養っていったい何でしょうか?心はいったいどのように栄養を取り込むのか?
人と人の触れ合い
人は社交的な生き物です。人はたったひとりで生きていけるように作られてはいません。おぎゃあと生まれた時から、誰かに看取られてあの世に旅立つ時まで、人は他人の力を借りて、助けを得て人生を過ごします。
人は他人を求めるもの、と言えるでしょう。
他人を求める理由には、自分の子孫を残す、というような生物的な理由もあります。また、ひとりの力は小さくても、集団になると大きな力が発揮でき、有利に生き残れるという生存上のメリットもあります。
このようなドライな理由はもちろんあります。でも同時に、私たちには「人に認めてもらいたい」という欲求があります。承認欲求という表現で言われることもありますが、どの人も、自分(の存在)を認め、受け入れてくれる誰かを求めるのです。
その誰かは、まず初めには母親だと言えるでしょう。そして、その母親を取りまく人たち、つまり父親や、あるいはそれ以外の近い関係の大人との触れ合いの中で、子どもの心は発達していきます。
誰かとの触れ合いによって、人の心は栄養を得ていきます。
心の栄養とは「人と人との触れ合い」そのものだ、と言ってもいいかもしれません。
ストロークとは触れること
プラスとマイナス
これまでにこのブログで「ストローク」という心理学の用語を何度かご紹介しています。
ストロークの英語の意味は「なでる、やさしく触れる、さする」という動詞です。子どもの成長には「触れる」ということが不可欠です。赤ちゃんの時には、抱っこしたりおんぶしたり、あやしたり。また、その時には、見つめたり、声かけしたりと言う交流も当然伴いますよね。
心理学の用語である「ストローク」は、肌の触れ合いや、相手へのまなざしや、挨拶や言葉がけ、といった、言語・非言語の形で、人に与えたり、人から与えられたりするものです。
以前の記事でもお話している通り、ストロークにはプラスとマイナスがあります。
プラスは、「素敵だね」という褒め言葉だったり、「ありがとう」という感謝の言葉や、挨拶や、相手を見てにっこりとほほ笑むなど、相手を認めるものです。人から言われると良い気分になるものがプラスのストロークです。
また、マイナスはご想像通り、不快な気分になるものです。嫌味や、悪口、無視、批判や非難。怒鳴られたり、叱られたりもそうです。
マイナスのストロークが圧倒的に多かった
私は、数多くのクライアントさんと接する中で、こんなに自信のない人達が多い理由はなぜだろう、という疑問を良く感じていました。そして、共通点があることがわかりました。
それが、子どもの頃に、親(や主な養育者)から受け取ってきたストロークが、プラスよりも、マイナスの方が圧倒的に多かった、ということでした。
しかし、このことは、プラスさえ与えていればいい、またはマイナスのストロークを排除していさえすればいい、ということを意味するものでもありません。
マイナスのストロークを受けるということにもそれなりの意味があります。子どもが危ないことをしたら叱る、いけないことや決まりを破ったら注意するなど。そのようにして社会的なルールや常識を身に着けられるようにするのは、親の役目だといえます。
でも、だからといって、「愛のムチ」なる体罰などはいけませんよね。暗い押し入れに閉じ込めたり、家の外に閉め出すなど、昔の子どもは、普通にそうされて育ってきた人が多いです。
このような方法は今は虐待と呼ばれます。
成長する過程ではもちろん、マイナスよりもプラスが多い方が良いにこしたことはありません。一番のわかりやすいストロークは「褒める」ことでしょう。
「褒める」というのは「私はあなたを認めていますよ」ということの現れですが、実はストロークには2種類があるのです。
条件がついているか、ついていないか
それは、条件がついているストロークと、条件がついていないストロークの二種類です。
条件付きのストロークはこんな感じです。
例えば、お母さんお父さんはこんな風に子どもを褒めたりします。
「〇〇ちゃん、100点取ってえらかったね」
「〇〇ちゃん、いつもお手伝いしてくれてお母さん嬉しいな」
「〇〇ちゃん、たくさん食べておりこうだね」
え、これのどこがいけないの、と思われるかもしれません。いいえ、全然いけなくありません。褒めることはプラスのストロークですから、人は良い気分になるものです。
でも、無意識に私たちがしていることの、もうひとつの作用も知っておくべきなのです。
裏の効果とでもいうべきでしょうか。
「褒めること」の作用
裏の効果とは
つまり、100点取る私なら、お手伝いする私なら、たくさん食べる私なら、愛される。でも、裏を返すと「そうでない私は認めてもらえないし愛されない」ということになってしまいます。
なぜなら、褒める時に、条件がちゃんとついているからです。
そのため、私たちは無意識のところで、そうでない時は愛してもらえない、という不安を抱えてしまうことがあるのです。
私自身の場合も、子どもの頃から「優等生」のラベルを家族や周りの大人が貼ってくれたおかげ(?)で、勉強をずっと続け、好きな英語を仕事にすることができました。
しかし、心の中ではいつも「できない私」「間違う私」「失敗する私」と闘っていました。本当はダメな私を人に知られることは、命を取られることに等しいくらいの恐怖だったんだ・・・と振り返って思います。
大げさに聞こえるかもしれませんが、かなり切実だったんですよね。
「条件付きで褒められる」ことには、リスクもあるのです。
ではどうしたらいいのでしょうか?
失敗した時こそ褒めよう
方法は簡単です。「無条件に褒める」ことを少しでも多くやってください。
お子さんに対して、パートナーに対して。
100点が取れたから褒めるのではなく、お手伝いするから褒めるのではなく(もちろん褒めてもいいですが)!
お子さんが自分の子どもでいてくれること。
パートナーが自分のそばにいてくれること。
これって、素晴らしいことじゃありませんか?
無条件ってこんな感じです。「お母さんの子どもでいてくれて幸せだな」「生まれてきてくれてありがとう」「私の旦那さんでいてくれて嬉しい」「私を選んでくれるなんて、もう感謝しかない」
誰でも、失敗して落ち込んでいたり、うまく行かなかった時こそ、このような無条件のプラスのストロークが必要です。
自分で自分に栄養を与える
そして、無条件の「褒める」や「感謝」や「愛」を向ける相手は、それだけではありません。
自己肯定感が低く自分に自信がない人は特に、マイナス点ばかりを見ては、自分にダメだしをする傾向があります。これができない、あれが悪い、なんでできない、また失敗してる、本当に嫌になるって・・・
そんなあなたこそ、自分自身を褒めてください。
だって、あなたはそんな自分でも辛抱強くやっているし、あきらめていないから。
あなたの存在自体を無条件に認めて、褒めてあげてください。
「私ってなかなかやるじゃん」「私って可愛いやつだな」
え!そんなこと無理って言う人は、心の奥にいる、小さかった頃の自分がまだ抵抗しているということです。マイナスのストロークしかもらってこなかったし、条件付きのプラスも多かったし・・・
褒められることに慣れていない!
そう、心の栄養不足でした。
でも、そんな栄養不足のクライアントさんが、タオマリエを訪ねてくださり、数か月を経て自分で解決の道を歩いていかれるのです。もちろん、無条件で「褒める」ことが上手になっていきます。
どんなあなたも、今からだって、何才だって、全然遅くないんですよ。
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