自己否定感はどこから来るの? – 静岡磐田で心理カウンセリング
2025.6.17 New
お茶畑のセラピールームからこんにちは、汰緒鞠映(タオマリエ)です。
自己肯定感や自尊心の低さ、マイナスのセルフイメージを持っている人は少なくありません。そのような人は、生きづらさのレベルが高いと思えます。
今日見ていくのは「自己否定感」。これを持っていると、生きづらさレベルはかなり高いといえます。
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今日の記事は「アダルトチルドレン」の生みの親と言われるクラウディア・ブラックの著書『あなたの苦しみを誰も知らない – トラウマと依存症からのリカバリーガイド(金剛出版)』を参考に、自己否定感について紐解いていきます。
Contents
自己否定感とは
自己否定感とは、自分自身に対する辛辣な劣等意識のことです。例えば、「自分はダメ人間だ、私は他の人より劣っている、私は価値のない人間だ」というような考え方です。
極端に言うと、『自分という人間自体が欠陥品であるという感覚です。「何か悪いことをしてしまった」のではなく「自分は生まれつきほかの人とは違う」という思い込みです』
感情から切り離される
自己否定感は、他の感情(怒り、悲しみ)などと違って、はっきり気がつく人はまれだと言われます。ブラックは、自己否定感を、ある種の感情に分類されるものではないととらえています。『私は長年のカウンセリング経験から、自己否定感というものは当事者と感情を切り離してしまうもの。感情を麻痺させてしまうものと考えるようになりました』と述べています。つまり自己否定感が大きいと、それだけ感情は強く阻害されてしまうのです。
自己否定感はどこから来るのか?
生まれつきではない
ブラックは『うまれつき自己否定感を抱えている人間はいません』と述べています。自己否定感は受けつけられるものだからです。『人種差別や排外主義と同じ』とブラックは捉えます。
自己否定感が最初に植え付けられる場所はどこでしょうか?
それは家庭です。普通の健全な家庭でさえ、何らかの自己否定感が小さな子どもに植え付けられることは避けられません。例えば、こんな例があります。
家庭で植え付けられる
重度の片頭痛を患っている母親が、子どもと一緒にいる時間を取れずに自分の部屋にこもりがち、というケースがありました。母親はある日子どもから手紙をもらいます。そこに書かれていたのはまったく思いかげない言葉。「お母さん、私を嫌わないで。私はお母さんが大好きだから嫌われるのは悲しい。もっといい子になるし、お手伝いもたくさんするから、私を嫌わないで」と。
母親は決して子どもを嫌っていたのではなく、片頭痛がひどくて部屋にこもる時間が多かっただけなのです。このようなやむを得ない状況で、親がまったく意図せずに、子どもに自己否定感を植え付けてしまうことも起こります。
しかし、いわゆる機能不全の家庭や、依存症者の家庭で育つ子どもは、このような例とは『比べものにならない量の自己否定感を毎日のように注入されてしまう』とブラックは述べています。
仮面をかぶっている!
明らかに気づくことがない
自己否定感は仮面をかぶっているとブラックは言います。怒りなどの感情は私たちは自分で気がつくものです。退屈だったり、怖れを感じたりするときも本人はすぐに気がつきます。しかし、自己否定感は違います。「私は自己否定感を感じている」と気がつくことはほぼありません。
しかし、例えば「私ってダメだな」「何をやってもいつも失敗する」「また馬鹿をやってしまった」「いつもこうだ」などという言葉(考え)で意識に上ってきます。
そして潜在意識の部分ではというと『さらに辛辣なメッセージを自分自身に向けて容赦なく発信しています』。ブラックによると、例えば以下のようなメッセージです。
自虐的なメッセージ
― 私は価値のない人間だ。私は幸せになる資格がない。私はしょうもない偽物だ。私の居場所はどこにもない。私は取るに足らない人間だ。私は欠陥品だ。私はポンコツだ。私は壊れている。ー
このような自虐的なメッセージを、いつも密かに自分に浴びせている、というわけです。潜在意識レベルで起こるので、本人は無自覚なのです。恐ろしいといわざるを得ません。
さて、あなたはどうでしょう。これらのメッセージの中に「何となく自分でそう思える」なんていうものはありませんか?もしあるなら、それはあなたの、仮面をかぶった自己否定感のメッセージなのだということです。
トラウマとの関係
逃げられない日常の中で
以前の記事で「複雑性トラウマ」のお話をしました。(*記事は末尾を参照してください)
複雑性トラウマは、日常の中で繰り返し起こるもので、それは逃げるのが難しい状況だと言えます。そもそも子どもは独りで生きていくことはできません。親に愛され、守ってもらうことで子どもは成長していきます。
しかし、養育する親から虐待またはそれに近い言動や仕打ちを受けることもあります。兄弟をひどく差別したり、親の理想の子ども像を押し付け、子どもから自由を奪うなど。また、子どもに全く関心を示さない(ネグレクト)などもあります。
自分が悪いからいけないんだという感覚
その際に子どもは「親に大切にされないのは、自分がきっと悪い子だからだ」と考えるものです。子どもは親を悪いとは考えません。自分のせいだ、と捉えることがほとんどなのです。小さい子どもにとっては、どんな親でも、親とは自分を愛し守ってくれる存在なのです。私は、親に対する子どもの愛は無償なのだと感じます。
しかし、不当な扱いや虐待が繰り返されると、子どもの心の中には「病的な」信条が生まれ、次第に定着していきます。「私は愛される価値のない欠陥品だから、こんな風な扱いをされて当然なのだ」と思い込むのです。
トラウマと依存症の専門家であるブラックは、著書の自己否定感の章を以下のように結んでいます。『トラウマから回復するためには、この自己否定感に取り組む作業が必要であることは言うまでもありません』
あなたの自己否定感は?
今日はブラックの著書から、自己否定感についてポイントとなる点をまとめました。あなた自身について、何か気づきがありましたでしょうか。
人は誰でも些細な自己否定感を押し付けられるものです。生きていく上で自分が否定されるようなメッセージに出会うことは避けられないものです。
タオマリエを訪ねてくださるクライアントさんは特に、機能不全の家庭で育つなか、自分を無力化するような思い込みを取り込んでしまった方が多いです。潜在意識の部分で、自分はダメな劣った人間だ、無価値な人間だ、と思い込んでしまうのです。
しかし、このような潜在意識での自己否定感のある人も、心理カウンセリング(セラピー)のセッションや、心の仕組みを学ぶ心理教育に取り組むことによって、生きづらさを手放して自分らしい生き方を選ぶ人へと変わっていきます。そのような支援ができる心理カウンセリングやセラピーの重要性は、ますます注目されていくでしょう。
今日のお話が、生きづらさを感じるあなたのヒントになったことを願っています。
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このブログを書いた人

アダルトチルドレンのための「あなたらしさ」革命!!
静岡発 磐田浜松 しなやかココロトレーナー 汰緒鞠映(タオマリエ)
20代から過食症、不安症や、アダルトチャイルド特徴の自分に悩み続け、様々な解決方法を試すも、改善されないまま、英語のプロをめざして勉強を続け、英語講師、通訳、翻訳などの専門職に従事。その30年で、幅広い年齢、文化、背景の人々との交流から「共感するコミュニケーションの方法」を身につける。
55才で出会ったビリーフを書き変える心理療法で、それまでの生きづらさを解消し自分への信頼を得たことで、同じ悩みを抱える人のココロケアの仕事に転向。
心理セラピーセッション、個人相談、講座などでこれまで100人以上をサポート、自分らしさを取り戻し夢や希望に向かって人生を輝かせる人多数。
心理セラピーを基盤にした「しなやかな心の習慣作り」の実践者として、20代から60代の幅広い層の人々をクライアントに、地元での活動の幅を広げている。
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