「感謝してはいけない」と決めている人の特徴 – 静岡磐田で心理カウンセリング
2025.5.11 New
磐田市北部のお茶畑を見下ろすセラピールームから。
こんにちは、汰緒鞠映です。
前回の記事に関連して、今日は「感謝してはいけない」と決めている人の特徴とその背景を考えてみたいと思います。前回の記事はこちら:『ネガティブから脱出するには感謝を思い出そう』
「感謝」ということについて、道徳論の観点ではなく、心の健康と幸福の観点からお話していきます。あなたの幸せに少しでも良い影響がありますように願って。
Contents
「感謝してはいけない」と決めているとは
禁止令という禁止のメッセージ
タオマリエの心理カウンセリング・セラピーは、交流分析という心理学の考え方をベースにしています。交流分析には「人生脚本」と呼ばれる理論があります。脚本はその人独自の人生計画(青写真)と呼ばれます。子ども時代に親の影響を受けて発達し、その後の体験によって強化され固定化されるものです。
人生脚本のもととなるものは「禁止令」と呼ばれています。禁止令は言語・非言語による、親(養育者)から子どもへの禁止のメッセージです。子どもはそのメッセージを、無意識のうちに、真実のものとして心の中に取り入れます。そのため、禁止令に制限される生き方をしていくことになります。
もしあなたが「自信がない」という悩みがあるなら、おそらく親からのメッセージ(禁止令)のひとつは『重要であってはいけない』(=おまえは価値ある存在ではない)と考えられます。日本人の8割の人は、この禁止令を受けているのではないか、と言われるほどです。
『感謝してはいけない』
禁止令決断については、現在で、ジョン・マクニール博士による25の禁止令診断が提唱されています。25もあるの?と驚かれるかもしれませんね。詳しい内容は割愛しますが、私がいつも気になってしまう禁止令があります。それは『感謝してはいけない』というもの。
初めてこの禁止令を知った時には、正直混乱しました。なぜって、子どものころから両親や周りの人に、こう言われたきたからです。それは「親に感謝しなさい」とか「育ててもらって恩返しをしなくちゃいけない」など。道徳的な教えの一環で、当たり前の考えだとずっと思っていたからです。
しかし、心理療法の勉強を継続するうちに、この『感謝してはいけない』という禁止令が、人の心の幸福度を制限している、と感じるようになりました。
感謝しない人の特徴
決して満足しないという信念
実際に、私の周りには『感謝してはいけない』という決断をしていると思える人がけっこういます。実は私自身もその禁止令の影響は少なからずあります。この禁止令決断をしている人の特徴に「決して満足しない」という固い信念があります。
私の周りにいる「決して満足しない」人の例を少し挙げてみます。
いずれにしても不満を口にする
もし、母親が何かにつけて不満やグチを言う人である場合、その子どもは、家族や身内や近所の人たちのグチや悪い評判を聞かされることが多いです。私自身は、子どもの頃から、父や祖母に対する母のグチの聞き役でした。私のクライアントさんも、子どもの頃にお母さんのグチの聞き役だったという人がけっこういらっしゃいます。(これは子どもの心の成長のために、やめてほしい悪習です。その理由はまた別の記事で書きます)
我が家は昔から猫を飼っていて、5年前まで母がとても可愛がっていた「ピーコ」という猫がいました。母はピーコをとても可愛がっているのに、よく文句も言ってました。
それはこんな感じです。ピーコがごはんが気にいらなくて食べないと「ごはんを食べないなんて贅沢だ」と叱ります。でも、ごばんをガツガツ食べていると「お前は食べすぎだよ。餌代がたいへんだ」と文句を言います。
ダブルバインド
食べなきゃ叱られるし、食べたら食べたで文句言われるって、どっちにしても気に入らないってことですよね。いったいどうすればいいんでしょう。幸いにも(?)猫ちゃんなので、母の言っていることは理解できません。
これはダブルバインドと呼ばれる状態で、矛盾する二つのメッセージで相手を混乱させ、ストレスを与えてしまうもの。例えば親が子どもに「だらだらしてないで外で運動しなさい」と言い、子どもが外で遊んでいると「遊んでばかりいないで宿題さっさとやりなさい」と叱るなど。
ダブルバインドを発する人の心理状態は、相手が何をしても「決して満足しない」というものです。まさに『感謝してはいけない』という禁止令決断を強く持っていると言えます。
氣づいていない感謝の心
「ありがとうは?」
この禁止令の隠れた特徴は、自分が『感謝してはいけない』なんて信念は持っていないと思いがちなことです。その理由は、感謝は人にお礼を言ったり、何かでお礼をする、という行為のことだと思っているからかもしれません。私たちは、子どものころから母親に「ありがとうは?」とよく言われましたよね。
心理療法の観点で見ると少し景色は異なります。感謝しない人は、(決して)満足しない人、という図式があるのです。
いつも文句を言っている
私自身、『感謝してはいけない』という決断を持っていると気づいたきっかけがあります。それは娘からの言葉。「お母さん、いつも文句言ってるよね」
母親のグチの聞き役だった私は、話を聞いてくれる相手に、不平不満やグチや文句を聞かせるということを、無自覚にやっていました。優しい友人たちは「たいへんだね」とか「本当だよね」と同調してくれていたので、自分のこの信念に無頓着でした。
「お母さん、いつも文句言ってるよね」と言われ、文句を言っているつもりはなかったのに、と思いつつ、よくよく振り返ると・・・・
決して満足しない、心の状態で長年過ごしていたんだなと思いました。そして自分の『感謝してはいけない』決断に氣づきました。
自分は不幸だと思っている?
幸せになりたい
あなたは幸せになりたい、と思っていませんか?
または私って不幸だ、「ハズレ」の人生だ、なんて嘆いたりしていませんか?
そんなあなたは、昔の私のように、『感謝してはいけない』というメッセージを親から受け取って、『決して満足しないぞ」という強い決断をしているかもしれません。
あなたを「感謝が足りない」と批判しているのではありませんよ。道徳的で儀礼的な「感謝」という意味ではなく、あなたの心の状態のことをお話しています。
出来事をどうとらえるか
実を言うと、心の状態はあなた自身が決めているものです。もしあなたが自分を幸せだと思うなら、自分は幸せだとあなたが決めた、と考えられます。その逆も然り。
出来事やものごとには、明るい面と暗い面があります。暗いと思える出来事にも、プラスの点があります。あなたが出来事をどのようにとらえるかで、気分も変わり、その結果の行動も変わります。
「決して満足しない」と親や周りから学んで、不平不満をまき散らしてきた私自身も、自分の決断と長年のクセに氣づかされました。
私って不幸だ、とずっと思ってきました。でもそれは、出来事やものごとを批判的に見る、という心のクセから来ているとわかりました。私は、ずっと「決して満足しないぞ」と決めていたのです。
少しづつ変わっていける
以前に心理療法の勉強で一緒になった仲間から、聞いた話を最後にシェアします。
『感謝してはいけない』決断をしていたと思われるその人は、母親が文句やグチばかり言う人だったとのこと。子どもの頃から当たり前のように不満を聞かされ、自分自身も不平の目でものごとを見るようになっていた。そのため、家でも職場でも人間関係がうまく行かず、マイナス思考で抑ウツ状態にもなっていたそうです。
そんな彼女が、心理の勉強をし、カウンセリングを受けるようになり、ある時こう考えました。私がこんなに不幸で人生うまく行ってないのは、不平不満や文句ばかり口に出して言っているせいじゃないのかと。だったら「もう不満やグチを思っても、これから一切口に出すことをやめたら、どうなるだろうか」と、とにかくやってみることにしたのです。
悪い想像や言葉は口に出さないという決意
すると、悪いことを口にしないということを続けていくうちに、次第にウツ気分が減って軽くなってきた。これまで感じたことのなかった、幸せ、とか、ありがたい、という気持ちが湧いてくるようになったそうです。
もちろん、すいすいと変わっていったわけではありません。長年のクセはなかなぬけません。でも、彼女は「手ごたえがあったからずっと続けていく」と言ってました。
そうやって、人は変わっていくんだな、と思いました。不平不満に満ちた人生から、感謝と幸せに満ちた人生へと・・・・・
💛💛
今日の記事が、あなたにとって、何か大切なヒントになるように願っています。
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このブログを書いた人

アダルトチルドレンのための「あなたらしさ」革命!!
静岡発 磐田浜松 しなやかココロトレーナー 汰緒鞠映(タオマリエ)
20代から過食症、不安症や、アダルトチャイルド特徴の自分に悩み続け、様々な解決方法を試すも、改善されないまま、英語のプロをめざして勉強を続け、英語講師、通訳、翻訳などの専門職に従事。その30年で、幅広い年齢、文化、背景の人々との交流から「共感するコミュニケーションの方法」を身につける。
55才で出会ったビリーフを書き変える心理療法で、それまでの生きづらさを解消し自分への信頼を得たことで、同じ悩みを抱える人のココロケアの仕事に転向。
心理セラピーセッション、個人相談、講座などでこれまで100人以上をサポート、自分らしさを取り戻し夢や希望に向かって人生を輝かせる人多数。
心理セラピーを基盤にした「しなやかな心の習慣作り」の実践者として、20代から60代の幅広い層の人々をクライアントに、地元での活動の幅を広げている。
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