アダルトチルドレンの心の中で起こっていること
2019.10.12 (2021.1.3更新)
こんにちは、汰緒鞠映(タオマリエ)です。
今日はアダルトチルドレンのために、自分の心の中にいる存在に目を向ける、いや、耳を傾けることについてお話しようと思います。
Contents
心の中にいる存在って誰?
心の中でいつも言い訳をしていた理由
子ども時代を子どもらしく過ごせなかったアダルトチルドレンは、大きくなっても「自分らしく」いることがとても苦手です。苦手、というよりは、どうやったらいいのかわからない状態、といえます。
私の場合、一番顕著だったのは「自分がない」ということでした。
自分はからっぽで、相手が求める自分をその時に応じて演じ分けていたような気がします。この感覚はアダルトチルドレンには共通の傾向のようです。
そして、私の場合、何か大切なことをやる時などには、心の中でいつもひとり言の言い訳をしていました。
それは、何で失敗したか、何で間違えてしまったか、何でやらなかったか、何で遅れてしまったか、など。まだ失敗したり、間違えてしまう前から、そのシミュレーションをやっていました。相手に言われたらどう言い返そう、こうやって説明しよう、なんてことを考えていたんですよね。
なぜそんなことをしていたと思いますか?
アダルトチルドレン歴の長いあなたならもうお分かりかもしれませんね。
それは、心の中に響いてくる「批判的な」声に対抗するためでした。
批判的な声の正体は・・・
心の中に鳴り響いていたのは「それじゃだめ」「そんなんじゃ恥ずかしい」「ちゃんとやらなきゃ」という感じの声でした。もちろん、幻聴というのではありませんよ。
自分の中に自然に生まれてくる考えなんです。自動思考と呼ばれるものです。
人は一日何千回も思考しているといわれます。必ずしもマイナス的な思考ばかりではありません。普段のなんてことないこと、例えば、「今日の夕飯何にしよう」とか「あ、バター買うの忘れてた」「明日の運動会大丈夫かな」とかもろもろの考えです。
でも、人によっては、この自動思考がマイナスに偏っていることがあります。
私ってマイナス思考、と思える人は、マイナスの自動思考が多い、ということですね。
私の場合も、以前はマイナスで消極的な思考が多かったです。それは「批判的な」声をかけてくる存在が心の中にいたからだ、と言ってもかまいません。
その批判的な存在の叱責や問いかけに対して、「言い訳」をすることが習慣になっていました。
ひとりシミュレーション、私もやってるわ!と言う人もいるかもしれませんね。
この批判的な声はいったいどこから来るのでしょうか?
心の中にいる批判的な親?
3つの異なる自分
人の心の中には3つの異なる自分がいると考えられています。これは、交流分析という心理学理論の3つの自我状態という考え方です。
その3つとは「親」、「子ども」、そして「成人」です。3つの状態が、常にスイッチングしています。つまり人は、心理的に常に3つのどれかの状態にあり、状況や相手によって使い分けているわけです。
ざっくり説明すると、自分の親や養育者から取り入れた考え方、感じ方、やり方をしている時の自分は、心が親の自我状態になっている、と言います。自分の子どもの頃の反応を再現するような考え方や感じ方、やり方をしている時は「子ども」の自我状態にあり、そして「成人」の自我状態は、客観的で冷静な「今、ここ」での反応をしている時だと言えます。
人は、客観的で理性的でいる時もあれば、感情的にもなるし、ルールを破ったりなんてこともあれば、夫婦喧嘩や親子喧嘩も普通にしたりします。それはつまり、人の心は3つのいずれかの状態で、感じたり考えたり行動をしているのだ、ということです。
そして、先に述べた私のような場合、心の中に批判的な存在がいて、自分のやることをチェックされたり批判されるために、その声に対抗しようと言い訳をしているわけです。シンプルに言うと、心の中では批判的な親と、言い訳をする子どもが闘っている状態です。特に「人前で何かをする」とか「人に評価される」ような時には、よくその葛藤が起こりました。
こんな状態はまさに「自信のなさ」や「生きづらさ」に直結しますよね。
それは子どもの頃の自分の親
思い返せば、私は子どもの頃、母から「人前で泣いたら恥ずかしい」とか「挨拶をきちんとできないと親が笑われる」とひと目を気にするしつけをされました。また、お行儀の悪い子どもを見ると「恥ずかしい、親の顔が見たいもんだ」と母がつぶやいているのも聞いていました。(これらは今でも言っています)
私の心の中の批判的な声は、まさに子どもの頃の母のイメージそのものです。
あなたの親はどうでしょうか?あなたがいつも親から言われていたこと、あるいは親がよくつぶやいていたことなどないか、少し思い出してみてください。
ひょっとしたら、親から言われてきたことを無批判に取り入れてしまっているなあ、なんて感じませんか?
私のクライアントさんの中にも、自分は「頭が悪い」「わがままだ」「怠け者だ」などと思い込んできた方がいらっしゃいます。親から直接にそんな風に言われていた場合です。また、「そんなこと言うのはわがままだ」などと、脅しのように言われてきた場合もあります。
いずれにしても、子どものそのままの状態を受け入れられずに批判する親だったに間違いありません。それはまた、親自身にも強い思い込みや問題があったからなのです。
では、このような、心の中の批判的な親の声の影響が強すぎる場合、いったいどうしたらいいんでしょうか?
「選手交代!」を求めよう
幸いなことに、いわゆる「選手交代」ができるんです。
さきほど説明した「親」の自我状態には、実は2種類あると言われます。批判的な親と、もうひとりは受容的で養育的な親です。もうひとりの親というのは、あなたをそのまま受け入れ、認め、励ましてくれる存在です。
悲しいことに、アダルトチルドレンの多くは、子どもの頃、親に認めてもらうことがなく大人になっていきます。また、親の気に入る良い子の場合は、親が課する条件を満たすことで認めてもらう状態を続けていきます。
それでも、そんな経験によって心がコチコチになっていたとしても、受容的なもうひとりの親を自分の中に育てていくことができます。そうすれば、これまでの自分を認めてくれない親と「選手交代」させられるんです。
これってすごいことじゃありませんか?
私自身、批判的な親の存在と、それに対して言い訳をしている子どもの自分、という心の状態に氣づいてからは、意識的にあることをしてきました。それは自分への声かけでした。
「マザーテレサ」のような大きな存在が私の心にいるのを想像しました。そしてその声が「大丈夫だよ」「十分やれてるよ」「人のこと気にしなくていいよ」「怖くてもいいんだよ」「失敗したっていいんだよ」などと安心できる言葉をかけてくれるのをイメージしたんです。そんな風にして自分で自分に声かけをしていたというわけです。
不安になった時や、失敗して落ち込んだ時には、マザーテレサからの声に耳を澄ますことで、落ち着けたし元気が出て気を取り直すことができるようになりました。
何か月それを続けていたか、正確に覚えていませんが、毎日ひとりの時間で声かけをしていたので、それがいつしか習慣になっていました。そして氣がつけば、自分の中にあれだけ強い存在だった批判的な声がすっかり消えていたんです。
そして「マザーテレサ」が私の心の中では当たり前の存在になっていました。
毎日声かけに取り組んだことで、知らないうちに「選手交代」が行なわれたんですよね。
クライアントさんの例
心理セラピーによって、ビリーフ(心の奥のネガティブな思い込み)が変わってくると、このような選手交代が自然に進むことがよくあります。
数年前に、ウツっぽい状態となり休職をしていたKさん(50代女性)は、心理セラピーを受け始めた当初、自分に対するネガティブな思考やつぶやきををよくしていらっしゃいました。
「自分はダメ人間だ」と。そして、自分と違う誰かさんを見てはああなりたい、でも自分はそうじゃない、自分はどうせダメだ、とぐるぐる思考をしてしまうことが多かった・・・
でもセラピーが進むにつれて、自分へのつぶやきが自然に変わったのです。
『できるかどうかじゃなくて、やるしかないよね』『やっていけばいいんだよね』というように。
これまでの生活に区切りをつけ、再出発をしようと引っ越しをした新居先で、そんな気持ちが増えてきたそうです。心理セラピーを始める前とは異なる、大きな心の変化が現れていたのです。
まさに受容的な親の存在が、心の中に大きくなり、自分を責めて自分なんてダメだと批判する声と交代した、と言えます。
心はしなやかで回復力がある
クライアントのKさんの例も、私の例も、心は回復力を持っている、ということをストレートに教えてくれます。
アダルトチルドレンをずっと続けてきた私は、心理セラピーに出会うまでは自分が変われると考えてもいませんでした。あのままだったら、生きづらさに悩みながらもそれを隠して今も過ごしていたかもしれません。なにしろ人に弱みを見せることなど、絶対無理だと思っていた私です。
今は、自分を信頼しているし、ダメなところもあるけれ良いところもある自分を、そのまんま受け入れて許しています。それが心地いいなと感じられるのです。
さて、あなたはいかがですか?
心理セラピーや自分への声かけ(習慣化)によってしなやかな心を取り戻すことは、あなたの人生が変わることだと、お分かりいただければ嬉しいです。
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このブログを書いた人
アダルトチルドレンのための「あなたらしさ」革命!!
静岡発 磐田浜松 しなやかココロトレーナー 汰緒鞠映(タオマリエ)
20代から過食症、不安症や、アダルトチャイルド特徴の自分に悩み続け、様々な解決方法を試すも、改善されないまま、英語のプロをめざして勉強を続け、英語講師、通訳、翻訳などの専門職に従事。その30年で、幅広い年齢、文化、背景の人々との交流から「共感するコミュニケーションの方法」を身につける。
55才で出会ったビリーフを書き変える心理療法で、それまでの生きづらさを解消し自分への信頼を得たことで、同じ悩みを抱える人のココロケアの仕事に転向。
心理セラピーセッション、個人相談、講座などでこれまで100人以上をサポート、自分らしさを取り戻し夢や希望に向かって人生を輝かせる人多数。
心理セラピーを基盤にした「しなやかな心の習慣作り」の実践者として、20代から60代の幅広い層の人々をクライアントに、地元での活動の幅を広げている。
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