心理カウンセリングの効果「人間関係が変わる」- 静岡磐田で心理カウンセリング
2025.5.27 (2025.5.31更新)
こんにちは、汰緒鞠映(タオマリエ)です。
自分に自信がない。相手の顔色をうかがってしまう。嫌われるんじゃないかと不安になる。自分の気持ちがわからない。そのような生きづらさのお悩みを抱えるアダルトチルドレン傾向の方々のサポートを、磐田市北部のお茶畑を臨むセラピールームで提供しています。
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以前の記事では、心理カウンセリングによる効果について主に4つを取り上げました。その4つとは以下の通りです。
(1) 自分の感情や思考を整理でき、自己理解が深まる。 (2) 感情のブロック解消ができトラウマの克服につながる。 (3) 考え方がニュートラルになり人間関係が変わる。 (4) 心が安定し体の健康を取り戻せる
今日は3つ目の効果「考え方がニュートラルになり人間関係が変わる」について取り上げます。これまでの二つの効果は「感情面」にフォーカスする部分が多かったですが、今回は「思考」に着目しています。
(1つ目と2つ目の効果は以下の記事をどうぞ:「心を整理する」:「トラウマ克服につながる」)
Contents
3人のクライアントさんの例
記事に入る前に、3人のクライアントさんの例を記しておきます。ご相談に来られた時の状態を書いています。この方たちが心理カウンセリング(セラピー)を受けてどうなるのか、ちょっと想像してみてください。
―旦那様に自分の気持ちをわかってもらえず、いつも感情爆発し、喧嘩になっていたクライアントさん(40代女性)
―奥様とのコミュニケーションで氣を使ってしまい、家でリラックスするのが難しかったクライアントさん(50代男性)
―自分に自信がなく、会社でも家でも周りの意見に合わせることでサバイバルしてきたクライアントさん(30代女性)
それぞれの変化の結果については、この記事の最後のセクションに書いています。では、記事に入っていきましょう。
誰もがもつ偏った考え方
認知の歪みとは
今回は「思考(考え方)」に直目していきます。心理学では思考や考え方は「認知」という言葉で呼ばれています。
認知行動心理学の言葉に「認知の歪み」というものがあります。
出来事を見る時に、私たちは自分の価値観や考え方のクセという、その人独自の眼鏡をかけて解釈しています。そして、そのメガネが、極端に偏っている場合は「認知が歪んでいる」と表現されます。歪んだ認知で出来事をとらえて、相手のことを見るのです。そのため、人間関係においては、誤解が生じたりあつれきが起こりやすいといえます。
歪みの10個のパターン
米国の精神科医で、現スタンフォード大学名誉非常勤教授のデビッド・D・バーンズは、「推論の誤り」の10個のパターンを提唱しています。(研究者によっては11個のパターンに分類しています)ここではバーンズのわかりやすい分類をご紹介します(『いやな気分よさようなら』デビッド・D・バーンズ著、星和書店より抜粋)
①全か無か思考(または白黒思考):ものごとを極端に白か黒かのどちらかに分けて考えようとする。
②一般化のし過ぎ:一度起こったできごとが、何度も繰り返し起こるように感じてしまう。
③心のフィルター:何かよくないことを思い出して、そればかり考えると何もかも暗く思えてくる。このように心にフィルターがかかっているため、世の中が真っ暗に感じられる。
④マイナス化思考:ものごとの良い面を無視すること、さらに正反対の悪いことに書き換えること。
⑤結論の飛躍:事実と違って悲観的な結論を一足飛びに出してしまうこと。「心の読みすぎ」と「先読みの誤り」がある。例)メールの返事が来ない相手に対して「あの人は私のことを嫌っている」と思い込む(心の読みすぎ)。さらに、こちらからメールしてもきっと迷惑だろうから「もう二度と連絡しない」と決める(先読みの誤り)。
⑥拡大解釈と過小評価:恐れや何か不完全なことに必要以上に注目する。逆に自分の長所を見る時には、それを取るに足らないものと見ること。
⑦感情的決めつけ:自分の感情をあたかも真実を証明する証拠のように考えてしまうこと。例は「もう何の希望もないように感じる。だから私の今の問題は全く解決不可能だ」など。
⑧すべき思考:何かやる時、これをすべきだ、これをしなければならない、と考えてしまうこと。自分に向かうと、自己嫌悪、恥や罪の意識を感じる。世の中の人に向かうと、独善的になる。
⑨レッテル張り:間違った認知に基づいて完全にネガティブな自己イメージを創作してしまうこと。自己破壊的で不合理な考え方。他人にレッテルを貼ると敵意を巻き起こすことになる。
⑩個人化:良くない出来事を理由もなく自分のせいにして考えてしまうこと。
上記、バーンズの10パターンをざっとご紹介しました。あなたの「あるある」のパターンはどれでしょうか。
「出来事」と「認知」は別もの
人は自動思考をしている
認知の歪みという概念とともに、知ってほしいものが「自動思考」です。それは、何か出来事が起きた時に、ほぼ自動的に頭に浮かんでくる考え(言葉)のこと。セルフトークとも言われます。
自動思考はいつでも常に頭の中に生まれているため、私たちは取り立てて意識することはありません。しかし、自動思考の中には、嫌な気分につながりやすい、悲観的で歪んだパターンがあります。それが先に紹介した「認知の歪み」を伴う自動思考です。
客観的事実ではないのに
起こっている出来事に対して、自然に頭の中に浮かんでくる考え(自動思考)が、客観的事実とはかけ離れた歪んだものになっています。実際には自分が色眼鏡をかけているだけなのです。
でも、そのことに私たちは氣づいていません。何故って、それがあまりに当たり前だからです。
例えば、自分の母親がいつも他人に対して上から目線で批判をする人だとします。すると、その母と一緒にいる時間の長い子どもは、同じような思考を学びます。他人に対して共感的な考えではなく、あら捜しをして不満を抱く思考をしがちです。本人にとってはそれが自然で当たり前になるのです。
自分の心のクセ(認知の歪み)を知るメリット
認知の歪みを私はシンプルに「心のクセ」と呼んでいます。先ほどの10個のパターンは、程度の差こそあれ、どんな人でも持っている「考え方のクセ」なんです。
しかし何かのきっかけで、自分の考え方がおかしいのではないかと、疑いを持つことがあります。それは実はとても大きなチャンスなのです。
自分にどんな心のクセがあるか知ることは、今ある問題解決をもたらすだけではありません。自分の生き方の変化、他人との関係性の変化につながる可能性が大きいのです。
思考と感情と行動が変わる
自分の心のクセを認識できると、まずは目の前で起こっている出来事がこれまでと違って見えるようになります。つまり、できごとのとらえ方が変わります。すると、思考と連動する自分の感情も変わり、その結果、自然に自分の行動も変わるのです。
例えば、会社で自分の発言に自信を持てない人がいます。その人は常に周りの顔色をみてびくびくしています。おそらく、「結論の飛躍」や「拡大解釈と過小評価」などのパターンを持っているでしょう。
そのような人が、自分の心のクセを理解し、その考えは客観的事実ではないと意識したらとしたら。どうなるでしょうか?
それまで強かった不安な感情に振り回されることが減ってきます。すると、あまり心配せずに自分の気持ちや意見が言えることが増えてきます。そうなると、周りの人が自分に対してこれまでと違う反応を見せ始めます。
明らかに、自分と周りの相手との関係性に変化が起こっていくでしょう。
3つの自我状態
親、子ども、大人の自我状態
ここまで、「認知の歪み」「自動思考」という概念を紹介してきました。加えてもうひとつ、あなたにはぜひ知ってほしい概念があります。
それは「自我状態」というもの。人の心の中には3つの異なる自分がある、と考えられています。これは、交流分析という心理学論によって提唱されているものです。
その3つの異なる自分とは、「親」、「子ども」、そして「成人(大人)」の自我状態です。人は心理的に、常に3つのどれかの状態にあり、状況や相手によってスイッチングしています。
大人の自分がコントロールする
ざっくり説明すると、「親の自我状態」は自分の親や養育者から取り入れた考え方、感じ方、やり方をしている時の自分です。「〇〇すべき」など、厳しい批判的な視点を持ちます。
一方「子どもの自我状態」は、自分の子どもの頃の反応を再現するような考え方や感じ方、やり方をしている時の自分です。感情的になっている時は「子ども」の自我状態が働いています。
そして残りのひとつが「大人の自我状態」。これは、今ここでの冷静で客観的な視点を持つ時の自分です。この大人の自分が、自分の「親」と「子ども」の自我状態をコントロールする役割を持ちます。
大人の自分がいないとどうなる?
冒頭で、認知の歪みを持つ自動思考のことを話しました。10個のパターンは、誰でも多かれ少なかれ持っているものです。しかし、私たちは大人の自我状態(客観的で冷静な目を持つ自分)も持っているのです。その視点に立てば、何かがあっても「それって考えすぎかな」とか「そういうこともあるよね」と冷静に考えられたりします。必要以上に落ち込んだりしなくてすみます。
ところが、人間関係のお悩みや自尊心の低さから苦しんでしまう人は、「大人の自我状態」が欠落していることが多いです。冷静で客観的にものごとを見ることが難しい状態です。
そのような場合は、認知の歪みが幅を利かせるので苦しい感情に振り回されてしまいます。大人の自分がいない(またはとても小さい)状態の人に見られる傾向は、「強い偏見」、そして「被害妄想」だと言われます。
気がついていないことが問題
あなたはいかがですか?偏見で人を判断していたりしませんか?誰かの態度に対して被害妄想を抱いたりすることはありませんか?
もちろん、そういう時もありますよね。ですが、問題はそれが常態化しているのに、そのことに氣が付いていないことなのです。
心理カウンセリングによる効果
ニュートラルな思考への変化
心理カウンセリング(心理セラピー)には、病院や薬によっては得られない役割があります。それは、問題や悩みに対する対症療法ではなく、根本的解決のサポートを提供できる、という点です。
根本的解決とは、心理カウンセリングが、その人の認知の歪みを持つ思考をニュートラル(中立)の思考に変える助けをする、ということです。
どのように変わっていくのか、簡単にご説明します。
悩んでしまう心のしくみ
多くのクライアントさんが悩んでしまう心のしくみはこんな感じです。心の中にいる厳しい自分(親の自我状態)が、ダメな自分(子どもの自我状態)を批判している。そこで批判されている子どもの自我状態の自分に対して、責めたり、卑下したり、否定したり、という葛藤が起こります。
心理セラピーでは、葛藤で生じてきた感情の解放をサポートします。その際、クライアントさんの中で思考の転換が起こります。感情が解放されると思考が転換する理由は、人の思考と感情は常に矛盾のないセットだからです。
大人の自我状態の活性化
この時には、大人の自我状態が活性化し始めています。それまでは自分を責める以外の方法がない、と思い込んでいたことに氣がつき、他の方法を探せるようになったりします。自分の認知の歪みに氣づき、よりニュートラルな考え方に変わるのです。
しかし、大人の自我状態が働いていない場合はたいへんです。認知の歪みという心のクセが、その人のものの見方や気持ち(感情)を支配しています。そのままの状態では、人間関係の悩みや問題はいっこうに解決することはありません。いつも同じ問題でグルグルと悩んでしまうのです。
クライアントさんの例
では最後に、記事に入る前にご紹介した3人のクライアントさんを覚えていますか?心理カウンセリングの効果でどのように変わったのでしょうか。簡潔にまとめました。
―旦那様に自分の気持ちをわかってもらえず、いつも感情爆発し、喧嘩になっていたクライアントさん(40代女性)。⇒「自分だけが苦労して損している」という被害者の心持ちを脱して、冷静に自分の欲求や気持ちを伝えられるようになった。おかげで旦那様と家事や育児の分担がスムーズになった。
―奥様とのコミュニケーションで氣を使ってしまい、家でリラックスするのが難しかったクライアントさん(50代男性)。⇒ 自分と奥様との考え方の違いを、不安なことや良くないことと捉えていた。しかし心理セラピーを継続するうち、人それぞれの違いを尊重すればいい、という考え方に変わった。相手の顔色を見て自分の態度を決めるのではなく、自然なコミュニケーションができるようになった。
―自分に自信がなく、会社でも家でも周りの意見に合わせることでサバイバルしてきたクライアントさん(30代女性)。⇒ 徐々に自分の好きなことや意見を言ってもいいと思えるようになっていった。苦手な人に無理に合わせるのはやめ、氣が進まない誘いは断れるようになった。自分の趣味に時間を使うことにも罪悪感を感じなくなった。
上記のクライアントさんはそれぞれ、認知の歪みによって生まれる苦しい感情から解放されています。それと同時に、よりニュートラルなものの見方で、より良い人間関係を作り直した、ということがわかります。
心理カウンセリングの効果の3つ目「考え方がニュートラルになり人間関係が変わる」について、どんな感想を持ちましたか。よろしければお便りくださいね。
こちらの関連記事もお読みください。『被害者マインドになってない?』
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このブログを書いた人

アダルトチルドレンのための「あなたらしさ」革命!!
静岡発 磐田浜松 しなやかココロトレーナー 汰緒鞠映(タオマリエ)
20代から過食症、不安症や、アダルトチャイルド特徴の自分に悩み続け、様々な解決方法を試すも、改善されないまま、英語のプロをめざして勉強を続け、英語講師、通訳、翻訳などの専門職に従事。その30年で、幅広い年齢、文化、背景の人々との交流から「共感するコミュニケーションの方法」を身につける。
55才で出会ったビリーフを書き変える心理療法で、それまでの生きづらさを解消し自分への信頼を得たことで、同じ悩みを抱える人のココロケアの仕事に転向。
心理セラピーセッション、個人相談、講座などでこれまで100人以上をサポート、自分らしさを取り戻し夢や希望に向かって人生を輝かせる人多数。
心理セラピーを基盤にした「しなやかな心の習慣作り」の実践者として、20代から60代の幅広い層の人々をクライアントに、地元での活動の幅を広げている。
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