静岡磐田で心理カウンセリング – アダルトチルドレンの毒親との付き合い方
2022.2.12 (2023.5.14更新)
こんにちは、汰緒鞠映です。
磐田市北部にあるお茶畑の一角で、アダルトチルドレン(AC)傾向でお悩みの方々を「心理セラピーと心の習慣化」プログラムでサポートしています。
アダルトチルドレンの親は、ほぼ間違いなく自身もアダルトチルドレンと言ってよさそうです。でも、同じアダルトチルドレンである子どもと親の決定的な違いは、自分が「アダルトチルドレン」特徴を持っていることを、自覚しているかどうかです。
自覚していない親は、子どもの心に寄り添うことがまったくできない、いわゆる「毒親」と呼ばれる存在である可能性が大です。
Contents
「毒親」ってどんな親?
まず初めに、「毒親」という、アダルトチルドレンにはとても気になる言葉について少し見てみたいと思います。
毒親は、英語で Toxic Parents(トクシックペアレンツ)と言います。1999年にアメリカの臨床心理セラピスト、スーザンフォワードが『毒になる親』(原題:Toxic Parents)という本で、害毒になる親という言葉を世の中に広めました。以前よりアメリカでは親による子どもの虐待が問題になっていたのです。
日本で2010年頃より流行り始めた「毒親」という言葉のルーツは、スーザンフォワードが著書のタイトルで使った「トクシックペアレンツ」だと言われています。
子どもの害毒になる親、とはどんな親なのでしょうか。著書では、心理セラピーの症例とともに、その症例に該当する以下のようなタイプの親が紹介されているのでここに挙げてみます。
「神様のような親(親は絶対でいつも正しい)」「義務を果たさない親」「コントロールばかりする親」「アルコール中毒の親」「残酷な言葉で傷つける親」「暴力を振るう親」「性的な行為をする親」
どうでしょう。あなたの親のこの中のタイプのどれかに入りますか?(細かい説明はここでは省きます)
さらにスーザン・フォワードは、どのような毒親特徴を持つ親であれ、その子どもは、成長してから驚くほど似たような症状を示す、と言っています。それは『ひとりの人間として存在していることへの自信が傷つけられており、自己破滅的な傾向を示す』ということで『いずれも自分に価値を見出すことが困難で、人から本当に愛される自信がなく、そして何をしても自分は不十分であるように感じている』ということなのです。
これを聞いて、ドキっとしている人はいませんか?誰しも少なからず、そのような感覚はあるでしょう。しかしその感覚が生きづらさと直結している人もいるかもしれません。
スーザンフォワードは、自分に対する自信がなく、生きていくことの意味を見いだすことが非常に難しいと感じる原因は、親との関わりの中で、罪悪感(なんとなく後ろめたい感じ)や不全感(自分が不十分な感じ)を心の奥深く抱えたまま成長するので、大人になってからポジティブで落ち着いたセルフイメージを持てないためだと説明しています。
あなたのセルフイメージはどうでしょうか。
それでは、ここからは、あなたの親が、まったくの毒親と思われる場合も、それほど毒親でもないと思える場合も、大人になっているあなたが、親とどう付き合っていったらよいか、ということについて、大切なことを書いていこうと思います。
親との関係の基本スタンス
一定の距離を取る
物理的な「距離を取る」というのがまず一番の重要ポイントです。あなたと親との距離はいかがですか?適切な距離が取れていますか?実家暮らしをしている人には、これが第一関門でしょう。
可愛そうな母親を置いて家をでられない、とおっしゃる方もいます。親に感謝しているなら面倒を見るのが当たり前だ、同じ家でそばにいてそうしなければいけない、と信じ込んでいらっしゃいます。
あるいは、冷たい娘だと思われる、世間体が悪いなどと、ひと目を気にする場合もあります。
でも、どうでしょう。母親と物理的にそばにいることで、心から平和が奪われてはいませんか?不毛な言い争いで心が疲弊していませんか?もしそうなら、自分を大切にする生き方ができていない、ということです。
境界線を引く
一定の物理的距離が取れない場合に一番困ることは、相手との境界線が引けなくなる、ということです。特に相手が自分と同じくACである場合は、いわゆる「共依存」という関係性が出来上がります。
「共依存」とはお互いが精神的に不健康に依存しあっている関係を言います。
どういうことかと言うと、こんな感じです。
-相手の問題が、あなたが解決しなければいけない問題になる。相手のために、あなたが後始末をしたり尻ぬぐいをする。
-相手の感情は、あなたが面倒をみなければいけない。相手が機嫌を損ねた場合、相手はあなたのせいにするので、あなたが相手のご機嫌を取ったり、なぐさめたりして、おもりをしなければいけない・・・
どんなに近い関係の人間同士でも、境界線が必要です。それは、あなたが相手をひとりの人間として尊重することのしるし。線を引いた向こうにいある相手の考え方や生き方を相手のものとして認めるための線といえます。
しかしAC同士の場合、このような「境界線」がないのが特徴です。特に感情面において、それがいえます。母と娘の関係で典型的なのが、不幸なお母さんの悲しみや哀れを娘が引き受けてしまい、自分も幸せになれない、という状況です。
母が悲しんでいたり不幸でいること自体が、自分のせいだと思えるのです。そして母を幸せにする、という不毛な試みをし続けることも。タオマリエの心理状態は以前はそんな感じでした。境界線を引いていなかったな、と振り返って思います。
あの頃の私は、母の体の不調を自分がなんとかしないといけない、それが良い娘の務めだと信じ込んでいたのに対し、今は「これは母が選んでいる生き方なんだな」と受け止めている感じです。
(この話はまたそのうち書きたいと思います。)
健全な関係に必要なこと
お互いに尊重されるべきもの
「境界線を引く」というと、親なのに他人みたいで冷たい印象を受ける人もいるかもしれません。
でも、境界線を引く、ということはどんな相手に対しても一番大切なこと。これができないとそもそも健全な人間関係になりません。健全な関係とは、自分と相手は、親子であれ何であれ、それぞれに違う個性や考えや感じ方を持っていて、それらはお互いに尊重されるべきだという合意の上に成り立つものです。
私たちが特にやりがちな間違いが、相手を自分の思うようにコントロールしようとすることです。いや、コントロールしようとしていることに気づいていないこともあります。
特に親が子どもをコントロールする場合は、子どもは従う以外に選べる道はありません。
タオマリエにご相談に見えるクライアントさんたちに多いのが、親から厳しいしつけをされたり、心ない言葉で傷つけられたり、困った時にも守ってもらえなかった、といった小さい頃の辛い記憶を抱える方々です。なかにはしつけと称する身体的な暴力を受けたという方もけっこういらっしゃいます。
愛しているけれど憎しみの対象
では例えば、あなたが親から冷たい言葉や厳しいしつけや、あるいは無視や放任をされて育ってしまったとしましょう。
そのような場合きっと、あなたはどうして自分に厳しくしたのか、助けてくれなかったのか、と親を密かに恨むかもしれません。あるいは憎しみの感情をあらわに示し、関係を断ってしまうケースもあります。
アダルトチルドレンにとって、親は大切な人であると同時に、憎しみの対象であったりもします。この二つの正反対の気持ちに翻弄され、よけいに苦しんでしまうのです。
親があなたを愛せなかった、いや、あなたの求める方法で愛情を示すことができなかった背景や理由は、きっと様々あることでしょう。親にも親の辛い記憶や理由がある、そう思うと許せない思いも緩むのかもしれません。
しかしだからと言って、簡単に親との健全な関係が築き直せるわけではありません。そうなるためには、両者がお互いに境界線を引き、自分を大切にするとともに、相手を尊重する姿勢が必要なのです。
アダルトチルドレンの自覚のない親に、それを望むことはできるはずもありません。
ではいったいどうしたらいいのでしょうか・・・
相手のことは相手にまかせる
それは、相手の問題から手を引くことです。相手の感情のおもり役を降りることです。言い方を変えるなら「相手のことは相手にまかせる」ということ。
親がそのように生きてきたつけをあなたが払う必要も、親の問題をあなたが解決しようとする必要もありません。むしろ、自分の問題ではない問題を、解決しなければいけない、と思うこと自体が問題です。
それはあなたが、相手の能力や可能性を否定してしまうことと同じです。溜めてしまったツケはその人自身が払うもの。子どものあなたが負うものではありません。そしてもちろん、親には親なりの解決の方法があります。たとえそれが、あなたの求める方法やあなたが理解できる方法とは全く違うものだとしても。
自分の役目にフォーカスしよう
もしあなたが、親との境界線をしっかり引けたとしたら、自分の次の役目は何でしょう? もうお分かりでしょう。だって、それしかありません。
自分のために自分を大切にして、自分の人生を生きることです。幸せな時間をたくさん見つけていくことです。
親からの干渉やコントロールや、あるいは親への心配や、不平、不満、親に対する罪悪感などから、自分を自由にしていくこと。
これは、たとえ、親が自分の過ちや後悔の気持ちを認めたり、あなたに謝ったりしてくれなかったとしても、それにかかわらず、自分は幸せになっていけばいい、ということを意味するんですよね。
関連記事をお読みください。『毒親もつらいよ』
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このブログを書いた人
アダルトチルドレンのための「あなたらしさ」革命!!
静岡発 磐田浜松 しなやかココロトレーナー 汰緒鞠映(タオマリエ)
20代から過食症、不安症や、アダルトチャイルド特徴の自分に悩み続け、様々な解決方法を試すも、改善されないまま、英語のプロをめざして勉強を続け、英語講師、通訳、翻訳などの専門職に従事。その30年で、幅広い年齢、文化、背景の人々との交流から「共感するコミュニケーションの方法」を身につける。
55才で出会ったビリーフを書き変える心理療法で、それまでの生きづらさを解消し自分への信頼を得たことで、同じ悩みを抱える人のココロケアの仕事に転向。
心理セラピーセッション、個人相談、講座などでこれまで100人以上をサポート、自分らしさを取り戻し夢や希望に向かって人生を輝かせる人多数。
心理セラピーを基盤にした「しなやかな心の習慣作り」の実践者として、20代から60代の幅広い層の人々をクライアントに、地元での活動の幅を広げている。
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