愛着スタイルの作られ方 - 静岡磐田で心理カウンセリング
2024.7.28 (2024.8.28更新)
こんにちは、汰緒鞠映(タオマリエ)です。
前回の「愛着」のお話の続き記事です。今回は私たちひとりひとりが持つ「愛着スタイル」の作られ方を見ていきたいと思います。
前回の記事をお読みでないかたはこちらをどうぞ『あなたの愛着スタイルは?』
Contents
愛着スタイルはどう作られるのか
愛着スタイルは、その人が人生で築く人間関係の親密さのレベルに影響を及ぼすものです。一歳ごろで原型が決まり、10代後半くらいまでにスタイルとして確立されると言われます。
この愛着スタイル(の原型)はどのように作られるのでしょうか。生まれたばかりの赤ちゃんとともに退院して家に帰ってきたお母さんの環境が異なる3つのパターンでイメージしていきましょう。
一つ目は安定型愛着スタイルにつながる場合、二つ目は不安な愛着スタイルに発展する場合、そして三つ目は回避型愛着スタイルになる場合です。
母親への安定した愛着タイプ
こんな風に想像してください。お母さんが赤ちゃんと一緒に退院して家に戻ってきました。彼女の旦那さんは協力的で、また家族や友人との関係性も良好です。
このお母さんはどんな風に赤ちゃんに対応すると思いますか?
赤ちゃんが泣いたら抱いてあやします。もし、おむつが濡れていたらすぐに取り替えます。そうです、愛情をもって赤ちゃんの欲求を察して、それにうまく対応しようとします。
この赤ちゃんは、お母さんへの安定した愛着を発達させて育っていくでしょう。
もし、このような環境が子ども時代と思春期を通じて続いていくならどうでしょう。この子は、自分で感情を受け止めたり、気持ちを落ち着かせることができる人になっていきます。そして、自分の欲求を表見することにも不安を感じません。
自分の欲求(ニーズ)を不安なく表現できるというのは、人間関係の構築において、とても大きな意味を持ちます。つまり、相手に対して自分の気持ちや欲求を伝えることが自然にでき、自分とつながる相手のニーズにも同様に対応することができるのです。このような人は、健全な人間関係を築く能力が高いと言えます。
母親の不安を受け継ぐ不安な愛着スタイル
二つ目のパターンを見てみましょう。赤ちゃんを家に連れ帰ったお母さんですが、今度の家はサポートがなさそうです。
赤ちゃんが泣くと、お母さんは不安を感じたり神経質になったりします。助けがないので、どうしたらいいか困ってしまいます。赤ちゃんがお腹がすいているのに、毛布をかけるだけだったり。逆に赤ちゃんのことを過剰に気にかけすぎて、ノイローゼ気味になったりします。
このお母さんの状態は、赤ちゃんのニーズを察して合わせることができていない、と言えます。サポートがないことが大きな要因ですが、家族の事情で何か別のストレスがあるからかもしれません。要するに、お母さんが愛情をもって落ち着いて赤ちゃんに対応することが不可能な環境なのです。
この場合、この赤ちゃんはお母さんの不安を受け継ぐことは間違いありません。そして不安な愛着スタイルを発達させていくことでしょう。
この子は、自分の周りの人の気分や感情に対して、自分に責任があると思いがちになります。そのため、対人関係について過剰に用心深く、不安を感じるのです。成長するにつれ自分に自信を持てず、自分が愛されたりや価値があると思えず、常に他人からの承認を得ようとします。いわゆる「かまってちゃん」ぶりを発揮したりしますが、それは恐れと絶望から逃れるためなのです。
人間関係においては、自分が相手の感情の面倒を見る(喜ばせたりご機嫌を取る)か、その反対に相手が自分を喜ばせる関係になりがちです。そうでなければ、相手に無視されたり捨てられる不安が消えない関係性を築くことになります。
回避型の愛着タイプ
3番目のパターンは、2番目と同じお母さんで、行動が異なるお母さんを想像してみましょう。赤ちゃんに対して不安を感じるのではなく、赤ちゃんへの対応を避けるタイプです。
赤ちゃんにイライラして、哺乳瓶を乱暴に押し付けたりしてしまいます。あるいは、ウツ気味か、単に疲労困憊しているという理由の場合もあります。いずれも赤ちゃんのニーズに効果的に応えることが全くできない状況です。
このような場合、この子は感情が高ぶることは怖いことで隠さなければいけないと感じがちです。感情を人に伝えることはイコール相手が自分から去っていくことだという恐れを抱くのです。または、どうせ言っても応えてもらえない、という気持ちから自分の感情を抑えつけるのです。
成長するにつれ、他人を信用することができなくなり、誰かと親しい関係をもつことに困難を感じるでしょう。自分の感情を回避し、他人の感情も回避するので、誰かと親密な関係性を築くことは難しくなるのです。
あなたの愛着スタイルは?
3つの異なるお母さんと赤ちゃんのパターンを見てみました。あなたの愛着スタイルは、どのパターンに一番近いでしょうか。いずれにしても、完全な安定型とか完全な回避型というのではなく、ミックスして傾向を持っていると言えます。
私タオマリエの場合、3つともありますが、一番強いのは不安型、そして回避型の傾向もあります。安定型の度合いは昔はとても低かったと思えますが、今は増えているように思えます。
安定型スタイルの割合が増えていると思える理由は、対人関係において、自分の気持ちや欲求をあまり心配せずに相手とシェアすることができていること。また、相手に評価されたり承認されずとも、自分自身への信頼と安定を自分で保っていることなどです。
安定した愛着をめざそう
たとえあなたの生育環境が安定した愛着パターンを望めないものだったとしても、絶望する必要はありません。なぜなら、愛着スタイルはその後の人間関係の経験によって変わるものだからです。
あなたは自分にもっと自信を持ち、人間関係を安定したものにしたいと思いますか?
もし、そうなら、最初の第一歩は、今の自分の人間関係とその土台になっている自分の愛着スタイルを理解することです。
そのスタート地点から、安心したアタッチメント(愛着)を身に着ける道へとつながっていけます。
安定した愛着スタイルを持つことは、友人関係、結婚、子育て、仕事、心身の健康や幸福度など、人生の質にかかわるため、とても重要なんですよね。
次回は、不安定な愛着スタイルでお悩みの人が、安定した人間関係(愛着スタイル)に向かうためにヒントになることを書いていきます。
次の記事『愛されるあなたに変わるために愛着スタイルを学ぼう』
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このブログを書いた人
アダルトチルドレンのための「あなたらしさ」革命!!
静岡発 磐田浜松 しなやかココロトレーナー 汰緒鞠映(タオマリエ)
20代から過食症、不安症や、アダルトチャイルド特徴の自分に悩み続け、様々な解決方法を試すも、改善されないまま、英語のプロをめざして勉強を続け、英語講師、通訳、翻訳などの専門職に従事。その30年で、幅広い年齢、文化、背景の人々との交流から「共感するコミュニケーションの方法」を身につける。
55才で出会ったビリーフを書き変える心理療法で、それまでの生きづらさを解消し自分への信頼を得たことで、同じ悩みを抱える人のココロケアの仕事に転向。
心理セラピーセッション、個人相談、講座などでこれまで100人以上をサポート、自分らしさを取り戻し夢や希望に向かって人生を輝かせる人多数。
心理セラピーを基盤にした「しなやかな心の習慣作り」の実践者として、20代から60代の幅広い層の人々をクライアントに、地元での活動の幅を広げている。
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