静岡磐田で心理カウンセリング – 親を許せなくてもいいですか?
2020.10.9 (2023.6.25更新)
こんにちは、汰緒鞠映(タオマリエ)です。
アダルトチルドレンをテーマのひとつに、このブログを書いています。
今日は、親との関係性について、AC傾向でお悩みの方に向け書いてみます。
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Contents
良い子という選択
アダルトチルドレンは、親への複雑な想いを抱えて苦しんだ、またはまだ苦しみの中にいる人たちだといえます。
それは、親にとっての「良い子」を長らくやってきた人が、大人になってから、人間関係や、仕事、恋愛、結婚でつまづき、どうしてだろう、と考え始めた時に初めて、親との関係を振り返る、そんな場合が多いかもしれません。
長男、長女、には「良い子」の傾向が強いと言われますが、二番目でも一人っ子でも「良い子」を選ぶことはあります。何番目であれ、その子にとっては親の「良い子」でいることが、一番の、または唯一の選択肢だったのです。
「良い子」として振舞うことが、親を喜ばせる一番良い方法だったし、そうしていれば、親を困らせずに済んだからなのです。
いわば生き残り戦略ともいえます。
それはそうですよね、子どもは親が守ってくれなくては、ひとりで生きていくことはできませんから。
でも、このいわゆる「生き残り戦略」が、後々になって、その子の生きづらさを育てる土壌になっています。
このことを知らずに、自信がない、自分はダメだと嘆いたり、不安を感じたり、自分を嫌っている人が何と多いことか・・・
アダルトチルドレンの多くが「良い子」という戦略を取ってきた結果、自分で自分を苦しめています。
悪い娘でしょうか?
親思いで優しい人たち
汰緒鞠映のセラピールームを訪ねてくださる、悩めるAC(アダルトチルドレン)の方々は、親思いの人が多いです。だからこそ、よけいに、親に対する自分の気持ちに戸惑ったり混乱してしまいます。
以前のクライアントさんから、こんな質問をされたことがあります。
「お母さんのことを悪く思ったり、批判的に見てしまいます。私って悪い娘でしょうか?」と。
育ててもらった親を悪く思ってはいけない、と固く信じているので、「毒親」という言葉にも抵抗を感じます。そして親が気分を害さないために、自分の気持ちを二の次にして、関係性を作ってきたのです。
質問をされたクライアントさんのように、アダルトチルドレンは、親思いで優しい人が多いです。
でも、冷静によーく考えてみてください。
お母さん(お父さん)を喜ばせるため、悲しませないため、失望させないために、自分の氣持ちや自分の欲求を後回しにする・・・これって本当に子どもにとって自然なことでしょうか?
育ててもらったのだから、悪く思ったら申し訳ない、感謝しなければいけない、とACの方は口にします。
でも、この「感謝しなければいけない」という言葉の裏にある気持ち、見過ごしたり、なかったことにしてはいないでしょうか?
「ねばならない」からの脱却
私自身、子どもの頃から「良い子」を演じてきました。そうなんです、演じる、というのが自分にはピッタリきます。
というのも、自分は「わがままで冷たくでダメな子」だから、親が喜んでくれ、自慢に思ってくれるような娘でいるしか、方法がないと信じ込んでいたからです。
周りの大人からも言い聞かせられていました。「親孝行しなきゃいけない」「親に感謝しなきゃいけない」って。
そして、自分でもそう言っていました。でも、「ねばならない」の言葉の裏には自分の本当の気持ちをいつも隠していた。
本当とは何かというと、「お母さんのこういうところが嫌だ」「あんな風なのは嫌いだ」「何でわかってくれないの」などなど。
そういう思いや言葉をのみ込んで「良い子」を続けてきました。
自分の本音を言ったら、親を傷つけてしまって拒絶される、ということを子どもの頃に学んだからでした。親に拒絶されたり、厳しくしつけられたりするのは、自分が悪い子だからだ、と小さい子どもはとかく思いがちなのです。
かくして「良い子」への道が出来上がっていきます。
「毒親」もつらいよ
アダルトチルドレンの親
アダルトチルドレンの場合、親も同じようにアダルトチルドレンということが言えます。
世代伝搬という言葉がありますが、あなたの親もあなたと同じように、親に対して、自分の本音を隠して、親の喜ぶ「良い子」を演じてきたかもしれません。
ACという考え方が日本に入って来る前は、「良い子」がもっと当たり前だったでしょう。親に口答えや反抗するなど許されない時代だったし、子どもへの体罰も普通でした。
そんな時代を生き抜いた親世代は、自分がACだということすら理解できないでしょう。
でも、今はもう、子どもは親の所有物ではないし、いいなりになる必要はない、ということが多くの人には自然に理解できる世の中になりつつあります。
タオマリエにご相談いただく30代・40代の方々の中にも、自分がACであることを知って、自分が育てられたような方法では、子どもを育てない、という方がいらっしゃいます。自分の子どもが生きづらさで苦しまないためにも、ACの連鎖を自分の代で断ち切る、という考えを持った方にお会いすることが増えてきたのです。
それは個人的にも嬉しく感じることだし、これから育っていく子どもたちの幸せのためにも歓迎すべき傾向です。
しかし、その一方で、「良い子」だったはずの子どもから「毒親」と呼ばれて、距離を置かれてしまう親世代も、確実に増えているという傾向があります。
ほど良い距離の難しさ
アダルトチルドレンが、親とほど良い関係を保つことは、かなり難しい場合があります。なぜなら、ACの親は、自分がACであるのに、ACだと理解していないから、というのがほとんどです。
自分がACだと氣づくことなく、自分の子どもを育て、大きくなった子どもから距離を置かれたり、場合によっては絶縁状態になることもあります。
そんな場合でも、多くのACの親は、自分の考え方や、子どもへの扱い方は当たり前のことなので、自分を振り返ることがなかなか難しいと思えます。
また、ACである子どもが、大きくなってから、自分の苦しかった気持ちを親に伝えることは、かなり勇気がいります。そして、仮に言えたとしても、返ってくる言葉で子どもはよけいに傷つくこともあります。
私自身の母親もその典型です。母にとっては、人様の前に出ても恥ずかしくないように子どもを厳しくしつけることは当たり前のことでした。子どもの頃はよく真っ暗な石蔵に閉じ込められました。3才くらいの私には恐怖の出来事で、今でも断片の記憶を無力感や絶望感とともに、ありありと思い出します。
40代になってから、なんとなくその話を私が持ちだした時に、母から返ってきたのは「そんな大げさな」の一言でした。
他にも、自分が隠してきた辛い気持ちを思い切って打ちあけた時も「そんな昔のことを根に持っているなんて、おまえは恐ろしい子だ」と言われました。この時ほど「言わなければよかった」と思い知らされたことはありません。
境界線を引く
しかし一方で、60代のお母さんが、結婚して子育てをしている子どもから「お母さんと距離を置きたい」と言われて、自分のどこを変えたらいいのかアドバイスを欲しい、と私に連絡をくださることもあります。
その方の場合は、今まで自分が当たり前としてやってきたことを振り返り、子どもの考え方をそのまま見守ろうと決めたのです。最初はかなり落ち込んでいたようでしたが、子どもの傷つきを受け止めることの重大さを理解したようでした。
もしあなたが、親との関係で苦しいとしたら、一番の方法は、ある程度の距離を取る、ということです。
ACは、相手との心の境界線を引くのが苦手です。自分の親ならなおさらですから、心の距離を取るためには、物理的な距離を取る必要があります。場合によっては、実家を出ることも必要でしょう。
同居する場合は、物理的距離を取るための工夫が必要になってきます。こちらはやはり難易度が高いですよね。
(*心の境界線について詳しい記事はこちら「アダルトチルドレンが最も不得意なこと」)
親を許せなくてもいいですか?
表題の「親を許せなくてもいいですか」という質問は、「親を許せないと幸せになれない」というような世間一般的な考え方に対して出てくる疑問だと思われます。
毒親であれ、何であれ、あなたにとっては唯一の人ですが、だからと言って、いいなりになる必要はないし、無理やりに「良い子」でい続ける必要もありません。悪く思ってしまうことがあっても、自分を責める必要はありません。
自分の苦しさを伝えたら、理解しようとしてくれる親もいれば、批判されたと感じて逆切れする親もいます。
前者の親はたぶん、あなたと同じような苦しみを子どもの頃から感じていた人かもしれないし、後者は自分の正しさだけにしがみついている人なのかもしれません。
あなたが、自分の生きづらさを認め、ACを克服していきたいと自分自身で決めたように、あなたの親も、親自身で自分の生き方を決めているのです。
ということで、この質問への私の答えは・・・
「親を許せないと思ってしまうあなた自身を許してあげてください」
とお伝えしたいと思います。
アダルトチルドレンの苦しみを抱えてきた人には、一番必要なことなのです。
親を憎んでしまうことがあっても、悪く思ってしまうことがあっても、どんなあなたでも、あなた自身を許す、ということが何より大切です。
関連記事をお読みくださいね。「アダルトチルドレンからの回復は許すことから始まります」
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このブログを書いた人
アダルトチルドレンのための「あなたらしさ」革命!!
静岡発 磐田浜松 しなやかココロトレーナー 汰緒鞠映(タオマリエ)
20代から過食症、不安症や、アダルトチャイルド特徴の自分に悩み続け、様々な解決方法を試すも、改善されないまま、英語のプロをめざして勉強を続け、英語講師、通訳、翻訳などの専門職に従事。その30年で、幅広い年齢、文化、背景の人々との交流から「共感するコミュニケーションの方法」を身につける。
55才で出会ったビリーフを書き変える心理療法で、それまでの生きづらさを解消し自分への信頼を得たことで、同じ悩みを抱える人のココロケアの仕事に転向。
心理セラピーセッション、個人相談、講座などでこれまで100人以上をサポート、自分らしさを取り戻し夢や希望に向かって人生を輝かせる人多数。
心理セラピーを基盤にした「しなやかな心の習慣作り」の実践者として、20代から60代の幅広い層の人々をクライアントに、地元での活動の幅を広げている。
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